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しどろもどろの参院事務局の応答 ~安保法案「可決」の認定を尋ねると~ 醍醐聰のブログ 2015年9月18日

醍醐聰のブログ



 しどろもどろの参院事務局の応答 ~安保法案「可決」の認定を尋ねると~



醍醐聰のブログ 2015年9月18日

 安保法案「可決」の認定は誰が、どのように

 昨日、このブログに、安保法案は参院特別委で「可決」されたと言えるのかという記事を書いた。
 これに関連して今朝の『朝日新聞』に「声聞き取れぬ採決 委員長が賛否認定」という見出しの記事が掲載された。それによると、私は昨日の記事で、16時25分前後の約5分間に3つの案件――-①質疑打ち切り動議、②安保法案そのもの、③付帯決議―――が採決されたと言われていると書いたが、さらにもう1件、法案可決の事実などを盛り込む「審査報告書」の作成を鴻池委員長に一任する動議(?)も採決されたとのことである。

 あの騒然とした委員会室で、わずか5,6分の間に計4つの案件が「採決された」とは驚きである。

 さらに、問題なのは「委員全員がほぼ立ち上がり、鴻池氏の声も聞き取れない中、賛成多数をどう確認したのかはわからない」(同上、記事)という点である。
 記事によると、「参議院事務局は『最終的には委員長が賛否を認定する』」そうである。しかし、昨日のブログ記事に載せたように未定稿の速記録には「議場騒然、聴取不能」という記載があるのみ。

 それでも、「委員長発言はマイクを通さなくても、委員会室で発言する限り有効とされるが、議事録に正しく記録する必要がある。今回も鴻池氏の発言を記録する目的か、委員長席を取り囲む人の輪へICレコーダーを突っ込む人の姿が見られた」(同上、記事)という。

 これだけでは腑に落ちないので、鴻池委員長は賛成多数をどのように「認定した」のか確かめるため、今日、参院事務局の安保特別員会担当事務局(委員会部)に電話をした。約10分ほどのやりとりは次のとおりだった。

 参院事務局とのやりとり(1)~鴻池委員長が認定したというけれど~

 醍醐:今朝の『朝日新聞』によると賛否の認定、可決の認定は最終的には委員長が行うとのことですが、昨日、鴻池委員長は賛成多数をどのように「認定」したのですか? 委員長席には与野党委員が殺到し、かぶさり合って騒然とし、委員長の声は聞こえませんでしたが。

 参院事務局:委員長は賛成多数を確認したということです。

 醍醐:どうやって確認したのですか?

 参院事務局:委員長の声は聞き取れなかったかも知れませんが、われわれは委員長の音声を確認し、記録を取れています。

 醍醐:しかし、テレビの画面を視る限り、委員長は委員席が見えず、賛成起立した委員を確認できる状況ではなかったはずです。

 参院事務局:私たちもインターネット中継を見ていましたが、起立している委員の姿は確認できました。

 醍醐:では、委員長席に殺到し、かぶさるような格好になっていた委員は起立したことになるのですか?

 参院事務局:委員以外の議員は起立にカウントされません。自席を離れていた委員も起立賛成にはカウントされません。

 醍醐:それなら、委員長は自席で起立した委員の姿が見えず、起立した委員の数を確認できなかったはずですが。また、委員長席の周辺以外にも自席を離れていた委員がかなりいましたが、どうなるのですか?

 参院事務局:委員長は見えたんだと思いますが。

 醍醐:テレビを見ていたら、誰だって、委員長は周りを取り囲まれ、委員席を見えていなかったことは一目瞭然ですよ。委員の中で起立した人はいたのは映像から確認できますが、あれは委員長の議事進行の声を聴き取ってではなく、自民党の佐藤筆頭理事のサインに促されて起立したことは明らかです。佐藤理事は委員長の職務代行者ですか? そうでない委員の指示で起立しても有効なのですか?

 参院事務局:・・・・・・・ いずれにしても、委員長の「可決」うんうんの声を私たちは確認していますので、それを以て認定ということです。

 醍醐:では起立多数、よって可決という認定はいつの時点でしたのですか? 委員会終了後、委員長と事務局の相談でですか?

 参院事務局:そんなことはありません。あくまでも委員会室で委員長が認定するものです。

 醍醐:それなら、自席で起立した委員を確認できない状況で、どうして賛成多数を認定できたのですか?
 
 参院事務局:委員長は見えたんだと思いますよ。

 醍醐:テレビ中継で、あの場面を視ていた人なら、鴻池委員長は自席で起立した委員の姿が見えたとはとても信じませんよ。それと、委員長の議事進行の声が聞こえない状況で、特定の理事のサインに応じて起立しても無効でしょう?

 参院事務局:まあ自民党の理事ですから、委員長を代行したと言えるのでは・・・・

 醍醐:冗談じゃないですよ。仮に事務局の皆さんが委員長の声を聴き取れたとしても委員会室で委員が聴き取れなければ意味がありません。

 参院事務局:とにかく、賛否の認定は委員長がやることになっていて、私たちはそれを補佐するだけです。


参院事務局とのやりとり(2)~議事録はどうなる?~
 醍醐:補佐といっても事務局は委員長の指示に追従することではないですね。補佐の中身は議事進行規則等について不慣れな委員長に助言をすること、議事録を整備することなどですよね。

 参院事務局:それはそうです。ただ、私たちは委員長の判断をどうこういうものではありません。

 醍醐:速記録では、「議場騒然、聴取不能」と書かれていますが、正式の議事録は先ほど言われた、皆さんが聴き取ったとされる記録をもとに作成するのですか?

 参院事務局:いえ、(速記録のとおり)「議場騒然、聴取不能」と書きます。

 醍醐:だったら、賛否(可決)の認定を客観的に裏付けるものはないことになりますね。

 参院事務局:そのような場合は、委員長の認定です。

 醍醐:委員が自席にとどまり、正常な議事進行で採決がされた場合は委員長の認定を特段、問題にすることはありません。しかし、昨日のように混乱したなかで、委員長が起立した委員を確認できず、委員長の議事進行の声を委員が聞き取れない状況で、議事録の裏付けなしに委員長の認定だけで可決の有無を判断するのは怖いことですよ。委員長の独断を許すことになりかねず、悪しき先例にもなります。
 野党が共同で採決無効の申し入れをしたと伝えられていますが、参院事務局はこれにどう対応するのですか?

 参院事務局:・・・・あっ、今、別の用件が入りましたので、すみませんがこの辺で・・・・」


日本の三権分立はヤラセだった事を元最高裁事務総局の裁判官が暴露 ★阿修羅♪ 掲示板 H.27/05/04

★阿修羅♪ 掲示板


 日本の三権分立はヤラセだった事を元最高裁事務総局の裁判官が暴露



★阿修羅♪ 掲示板 神様 2015 年 5 月 04 日 16:18
http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/349.html


 最高裁事務総局の実態や日本の裁判制度の汚職を元裁判長の瀬木比呂志氏が外国人特派員協会で内部告発





元最高裁の瀬木比呂志氏が暴露「裁判所はいまや権力の番人だ」
2015年3月2日
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/157670/1


 時の政権が最高裁と組んで言論弾圧

 安倍政権になってからというもの、メディアが政権に遠慮し「物言えぬ空気」が広がっているのは、あちこちで識者が指摘している通りだ。そこにはさまざまな理由が絡み合うのだが、そのひとつに見過ごせないものがある。時の政権が最高裁判所と組み、名誉毀損裁判における損害額を引き上げようとするなど、言論弾圧のような政治介入をしていたという事実である。驚愕の真相を著書「ニッポンの裁判」(講談社)でえぐり出した元最高裁勤務のエリート裁判官、明治大法科大学院教授の瀬木比呂志氏に聞く。


――瀬木さんは東大法学部在学中に司法試験に合格、1979年から長きにわたって裁判官として勤務された。つまり、司法の現場を知り尽くしています。私たちは、日本は三権分立ですから、司法は独立して行政の暴走をチェックする。そういうものだと思っていましたが、違うんですか?


 裁判所は憲法の番人といわれますよね。だから、国家が変なことをすると、「そういうことをしちゃいけませんよ」と釘を刺す。それが憲法の番人の意味するところでしょうが、違います。今は権力の番人といってもいいんじゃないですか? 裁判官は独立しているというのは誤解で、上や多数派は、法衣を着た役人です。だから、支配と統治の根幹に関わる部分では、権力側の意向を忖度するんです。


――それを示した例は本当にたくさんあるんですね。木で鼻をくくったように門前払いされる行政訴訟とか国策捜査による冤罪事件とか。行政側がいつも勝つ。でも、まずは名誉毀損裁判です。最近は名誉毀損による損害額が高騰し、メディア側が丁寧な取材をしても大体、負けているんですね。その裏に政治介入があったと?


 2001年くらいから状況が一変しているんです。それまでは損害賠償請求の認容額は100万円以下だったのに、一気に高額化し、また裁判所も被告(メディア側)に対して、非常に厳しくなり、その抗弁を容易に認めなくなりました。その背景にあった事実として、01年3月から5月にかけて、衆参の法務委員会等で自公の議員や大臣が「賠償額が低すぎる」「マスコミの名誉毀損で泣き寝入りしている人がいる」などと言い、最高裁民事局長が「そういう意見は承知しており、司法研修所で適切な算定も検討します」と回答しているんですね。


これに呼応するように、裁判官が読む法律判例雑誌である「判例タイムズ」(5月15日号)に「損害賠償は500万円程度が相当」という論文が出て、司法研修所で「損害賠償実務研究会」が開かれた。同じ雑誌の11月15日号には、その報告が出ていて、慰謝料額の定型化のための算定基準表なんかがついている。さらに、直近の、損害賠償額が高額だった判例もついていました。これはおかしいなと思いましたね。


――政治家の発言と研究会が開かれたタイミングを見ると、完全に連携しているように見えますね。


 判例タイムズの5月号に論文を掲載するには3、4カ月前から執筆依頼をしなければならない。つまり、国会質問が出る前に、最高裁からこういうのをやったらどうか、という働きかけがあったのでしょう。その前には政治家からの突き上げがあったと思う。当時、森政権や創価学会は、ものすごくメディアに叩かれていましたからね。


――政治家がメディアを牽制するために「損害賠償の額を引き上げろ」と言って、最高裁が「はい、わかりました」と言うものなんですか?


 わかりません。水面下のことですから。でも、何も注文がないのに、裁判所がこんなふうに急に動くことはありえないと思います。


――その損害賠償額の算定基準表にも驚かされました。被害者の職業によって、社会的地位がランク分けされていて、タレントが10、国会議員が8、その他が5と書いてある。


 なぜ、一般の人がタレントの半分で、国会議員より低いのか。どう考えても異常ですが、理由を考えて思い当たった。タレントを高くしたのは、週刊誌を萎縮させるためでしょう。国会議員が8なのは、タレントの下に潜り込ませて目立たないようにするためだと思います。本来、国会議員は公人中の公人です。常に正当な批判にはさらされて当然なのに、おかしなことです。


しかし、もっと問題なのは、これをきっかけにメディア側が立証すべき真実性、あるいは真実だと信じるに足る根拠、真実相当性ですね。このメディア側の抗弁が容易に認められなくなったんですよ。もちろん、学者や裁判官が議論して、下から判例を積み上げていくのはいい。しかし、こういうふうに上から統制すべきことじゃないでしょう。


――こういうことがボディーブローになって、今の安倍政権への遠慮、萎縮があるように感じます。


 メディアは報道責任を果たせなくなったと思います。その理由は両方です。権力側の規制、メディアコントロールと、メディア側の自粛です。04年に市民運動家が自衛隊の官舎に反戦のビラをまいて、住居侵入で捕まった事件がありました。表現の自由に重きを置く欧米だったら、不当逮捕だということで、大騒ぎになったと思います。ところが、1審は無罪だったのに高裁、最高裁は「表現の自由も重要だが公共の福祉によって制限を受ける。従って、本件ポスティングは住居侵入罪」としてまともな憲法論議をほとんど行わずに決着させた。


日本は本当に近代民主主義国家なのかと思いましたが、こうした大きな問題をマスコミもほとんど取り上げないんですね。だから、既成事実として積み上がっていってしまう。社会がどんどん窮屈になる。日本は大丈夫なんですかね。テレビを見ていると、やれ、中国が悪い、韓国がケシカランとやっていて、それが悪いとは言いませんが、自分の国の自由主義と民主主義の基盤が危なくなってきているのだから、そのことをまず報道すべきではないでしょうか?


――そもそも、権力と司法は、昔から癒着していたのでしょうか? それとも、森政権以降、露骨になってきたのでしょうか?


 1960年代は最高裁も比較的リベラルな時代でした。それに危機感を抱いた自民党が、右翼的な考え方の持ち主である石田和外氏を5代目最高裁長官に据えて、いわゆる左翼系裁判官を一掃するブルーパージ人事をやった。戦後の裁判所の自由主義の潮流は、ここで事実上、息の根を止められ、以後、裁判所、裁判官全体に権力追随の事なかれ主義が蔓延するようになったと思います。まあ、それでも、そのあと4人くらいの長官は極端な支配統制はしなかった。でも、それから最高裁事務総局系の長官が出てくるようになり、2000年代以降に裁判所は、精神的「収容所群島」化してしまったと思いますね。


■ 勇気ある裁判官は5~10%


――名誉毀損裁判の件も一例でしょうが、裁判官の独立よりも上からの統制。逆らえなくなったという意味ですよね。そうした圧力に屈しないというか、まともな裁判官はいないんですか?


 5%、多くて10%くらいかなあ。勇気があるのは。でも、そういう人は間違いなく出世しない、あるいは辞めていってしまう。


――行政訴訟の原告側の勝訴率が8・4%(2012年)ということにも驚かされます。


 裁判所は実は「株式会社ジャスティス」なんです。軸になるのは最高裁事務総局で、ここが権力の意向を見る。裁判所は独立が確保された特別な場所ではありません。元判事補で今、学者になった人は在籍当時、最高裁秘書課等から論文の削除訂正を求められた経験をネットで書いていました。これは検閲で憲法21条に反する。他にも裁判員制度の広報活動で、契約書を交わさないまま事業を行わせていたことなど、たくさんある。裁判所が法を犯しているのですから信頼されるわけがないです。


――そんな司法と政治が結託すれば、何でもできてしまう。


 以前の自民党は、それでも権力者としてのたしなみがありましたね。これだけはやっちゃいけないみたいな。それが今は、なくなっている。


――とりわけ安倍首相には、たしなみのなさを感じます。


 自由主義、民主主義を掲げているわけですから、その根幹を崩すようなことだけは、どの世界の人もやめていただきたい。大きな権力を持っている人こそ、自制してほしいと思います。


▽せぎ・ひろし 1954年生まれ。東大法学部在学中に司法試験合格。東京地裁裁判官、最高裁調査官を経て、2012年明治大法科大学院専任教授。「絶望の裁判所」「ニッポンの裁判」(ともに講談社現代新書)が話題。


7月22日「市民が掘り起こした最高裁事務総局の闇」シンポジウムで伝えたかったこと!  一市民が斬る!! [Civil Opinions Blog] H.26/07/22

一市民が斬る!! [Civil Opinions Blog]



 7月22日「市民が掘り起こした最高裁事務総局の闇」シンポジウムで伝えたかったこと!
/ 【小沢一郎を強制起訴に追い込んだ東京第五検察審査会審査員はいなかった】他



一市民が斬る!! [Civil Opinions Blog] 2014年7月22日

 7月18日「森ゆうこvs志岐武彦裁判」の判決があった。
 その日の夕刻、「志岐武彦さんを支援する会」(最高裁の問題を考える会)主催で、 下記の裁判報告会が開かれた。

 裁判報告会



 第1部 判決の報告:山下幸夫弁護士
 第2部 シンポジウム「市民が掘り起こした最高裁事務総局の闇」
    コーディネーター:黒薮哲哉
    報告者      :志岐武彦、石川克子、熊本美彌子

 判決報告会の動画は後日公開する。

 <「市民が掘り起こした最高裁事務総局の闇」シンポジウム資料>

 第2部 シンポジウム「市民が掘り起こした最高裁事務総局の闇」で配布した資料を公開する。
 
市民が掘り起こした検察審査会と最高裁の闇


 ぜひ、お読み頂きたい。
 私達の最後のよりどころであると考えている最高裁が、私達の知らないところで、憲法や法律に違反し、市民であれば犯罪になることを行っていることがわかる。


 <「私達市民が国民に訴えたいこと」の要約>

 小沢一郎議員は、「政治資金規正法違反容疑」で東京第五検察審査会に申し立てられ、2010年9月14日2度目の「起訴相当」議決により強制起訴された。大捜査の末不起訴となった「検察の判断」を、11人の市民が覆したことになる。

 この起訴議決は、当初から疑惑が多く「検察審査員はいなかったのでは?」とささやかれていたが、私達市民は検審事務局及びそれを直轄する最高裁に何度も足を運び、また、検審事務局、最高裁、東京地裁、会計検査院、東京検察庁に情報公開請求を繰りかえし、疑惑を調べた。こうした現場での調査や資料分析等から、小沢検審起訴議決は"架空議決"であり、それを仕組んだのは司法を裏でコントロールする"最高裁事務総局"という組織だったと結論付けた。その根拠をお伝えする。

 また、過去の検察審査会では、鳩山元首相母親偽装献金事件、田代政弘元検事虚偽捜査報告書事件など、「起訴相当」議決がなされて当然の事件を不起訴とした。

 福島原発告訴団は東電役員ら33名の刑事処罰を要求し福島地検に告訴した。福島地検はこの事件を東京地検に移送し、東京地検はこれを不起訴とした。告訴団はこの事件を東京の検察審査会に申し立て、この事件は東京第五検察審査会で審査されているが、申し立てから7か月を経過するも未だ議決が出されていない。不起訴を狙った最高裁事務総局が移送を指示し、東京第五検察審査会にも何らかの働きかけをしているものと推測できる。

 最高裁は、米国との協議に基づいて砂川事件の一審判決(1959年)を逆転させたり、原発差止め判決を上級審で逆転させた過去がある。
 
 このように、裁判の判決や検察審査会の議決などが最高裁事務総局の意向で左右されていたとすれば、戦後民主主義を根本から問い直す必要がある。

2014年7月22日



【小沢一郎を強制起訴に追い込んだ東京第五検察審査会に審査員はいなかった】

 2010年9月14日、当時総理候補だった小沢一郎議員は検察審査会で強制起訴され、刑事被告人となった。民主党はこれを口実に小沢排除に動いたため党は分裂し、2012年衆院選で大敗してしまう。その後の裁判で無罪となった小沢氏も、少数野党の党首に転落した。これらの結果として自民党安倍政権が誕生した。“小沢検察審起訴議決”が日本政治の流れを大きく変えたといえる。ところが、小沢氏を強制起訴に追い込んだ検察審査会には当初から大きな疑惑があった。

 私達市民は検察審査会とこれを管轄する最高裁に通い、これらの役所に対し情報開示請求を行うなどして小沢検察審査会の疑惑を調べた。その結果、小沢検察審査会は審査員が存在せず、架空議決だったことを裏付ける多数の証拠を見つけた。そして、この架空議決を仕組んだのが、司法のコントロールタワーである「最高裁事務総局」という組織だった。大阪講演動画資料『小沢一郎を強制起訴に追い込んだ検察審査会と最高裁の闇』

市民が掘り起こした最高裁事務総局の闇

【森裕子前参院議員が一市民に対するスラップ訴訟を起こすも、裁判官は請求の全てを棄却】

 私達は森裕子前議員(元生活の党代表代行)と一緒に「検察審査会と最高裁の疑惑」を追及していた。ところが、その森氏は、検察の捏造捜査報告書流出事件直後からその追及先を最高裁から検察に変えた。しばらくして、森氏のブレーンⅩ氏から「あの報告書を流出させたのは私」と打ち明けられた。これらの情報に関連した(森氏についての)論評を当ブログに掲載したところ、森氏はブログ・ツイッターで、私を非難・誹謗・中傷した挙句、昨年10月、ブログ内容に名誉棄損があるとして提訴に及んだ。

7月18日東京地裁は「原告の請求をいずれも棄却する」との判決を言い渡した判決文別紙)。

【異例の裁判であったにもかかわらず、最高裁大スキャンダルが絡んでいるため大手メディアの報道はない】

 日本ジャーナリスト会議(JCJ)が機関誌『ジャーナリスト』に『浮上する最高裁事務総局の闇 森ゆうこ元参院議員が一市民を提訴』なる記事を掲載。『紙の爆弾(3月号)』も『森ゆうこ元参議院議員が「一市民」に起こした恫喝訴訟が明かす「最高裁の闇」』を掲載。「財界にいがた」が『小沢一郎を強制起訴に追い込んだ検察審査会と最高裁の闇』と題し短期集中連載。4月号『第1回 森裕子・前参院議員はなぜ一市民を名誉棄損で提訴したか』、5月号『第2回 森裕子裁判の被告が主張する「民主党代表選30分前の起訴議決は“架空議決“だった』、6月号『第3回 最高裁と会計検査院の“架空議決”隠蔽工作を暴く』。(2014年7月22日記入)


安倍首相の政治資金収支報告書「虚偽記載で起訴すべき」大学教授ら検察審に申し立て 弁護士ドットコム 

弁護士ドットコム


 安倍首相の政治資金収支報告書「虚偽記載で起訴すべき」大学教授ら検察審に申し立て



弁護士ドットコム 2015年08月19日 17時22分

安倍首相の政治資金収支報告書「虚偽記載で起訴すべき」大学教授ら検察審に申し立て
醍醐聡・東大名誉教授(右)

 「安倍首相の政治資金収支報告書に虚偽記載があった」と告発していた大学教授らが8月19日、検察の不起訴決定に納得せず、「起訴すべき案件だ」として、検察審査会に申し立てを行った。大学教授らは参院議員会館で記者会見し、「検察審査会は、市民の常識に従ってあらためて厳格に判断してほしい」と訴えた。

 大学教授たちは、安倍首相に2年間で40万円の献金をしていたNHK制作局のチーフプロデューサーの職業欄が、政治資金収支報告書で「会社役員」になっていたほか、2011年度〜2012年度の2年間で似たような職業欄の修正が16カ所あったことを問題視。虚偽記載にあたるとして、昨年8月に安倍首相と資金管理団体「晋和会」の会計責任者を告発したが、今年7月に検察が不起訴という結論を出していた。

 告発者の醍醐聡・東大名誉教授は「虚偽記載だ」とする理由について、「NHKのチーフプロデューサーが首相に献金をしていたとなれば、社会的には問題視されうる。NHK職員だということを分かりにくくするため、故意に不正確な記述をしたのではないか」と主張した。なお、収支報告書の肩書きは、昨年7月に会社役員から「会社員」に訂正されているが、これについても「本来なら団体職員とすべき。わざわざ訂正したのに間違っているのはおかしい」と指摘した。

 検察審査会は、検察が「不起訴」とした事件について、一般国民からなる委員が検察の判断を審査する制度。「起訴すべきだ(起訴相当)」「起訴しないのは不当で、さらに詳しく捜査すべきだ(不起訴不当)」もしくは「不起訴で問題ない(不起訴相当)」という、どれかの判断が出る。代理人の澤藤統一郎弁護士は「起訴相当か、少なくとも不起訴不当の議決を求める」と話していた。

(弁護士ドットコムニュース


戦争法案の強行採決を可能にする議席を自公が獲得する始まりは検察とマスコミの小沢一郎攻撃 桜井ジャーナル 2015.07.15

桜井ジャーナル



 戦争法案の強行採決を可能にする議席を自公が獲得する始まりは検察とマスコミ小沢一郎攻撃



桜井ジャーナル 2015.07.15

 安倍晋三首相によると、「南シナ海の中国が相手」だという「安全保障関連法案」が衆院特別委員会で強行採決され、自民党と公明党の賛成多数で可決されたという。憲法に違反していることは明白で、時間をかけるほど反対が増える可能性は高い法案だと政府も認識しているのだろう。安倍政権にとってこの法案を成立させることが重要なのであり、時間をかける意味はない。

 言うまでもなく、こうした強硬策が可能なのは、与党が議席数で野党を圧倒しているからにほかならない。衆議院は昨年の選挙で475議席のうち与党の自民が291議席、公明が35議席で合計326議席、野党は合計149議席。与党が圧倒している。2013年の参議院選挙の結果、与党は135議席、野党は107議席。選挙に不正があったかどうかはともかく、結果として議席数で与党は強い立場にある。

 こうした選挙結果を生み出した最大の理由は民主党の「自爆」にある。菅直人政権と野田佳彦政権が公約を投げ捨て、自民党の小泉純一郎政権と同じ道を驀進しはじめたのだ。変革への希望は絶望へと変わり、国民に支持されているとは言えない自民党と公明党が圧倒的な数の議席を得ることになったと言える。

 菅直人が首相になれたのは、その前の首相、鳩山由紀夫がマスコミなどの攻撃に耐えきれず、辞任したおかげだ。その背後には当然、アメリカが存在していただろう。マスコミは露骨に日米好戦派のプロパガンダを展開、沖縄以外の日本人を戦争へと導くことに成功した。

 鳩山を攻撃する前、マスコミは東京地検特捜部と手を組み、民主党を率いていた小沢一郎を葬り去ろうとしていた。小泉政権時代、週刊現代は2006年6月3日号に「小沢一郎の“隠し資産6億円超”を暴く」というタイトルの記事を掲載、翌年には小沢の政治資金管理団体「陸山会」の政治資金収支報告書に問題があるとマスコミと東京地検が激し攻撃を始めたのだ。そしてアメリカの好戦派にとって扱いにくい小沢を排除し、鳩山を引きずり下ろすことに成功、安倍政権の暴走につながるわけだ。

 この「事件」は言いがかりにすぎず、これが認められたなら、議員どころか日本中、多くの人が同じ行為で犯罪者にされてしまう。「小沢嫌い」なのか「小沢憎し」なのか、そうしたことを気にせず、検察に同調する人は少なくなかった。

 その間、アメリカと日本の好戦派は何をしていたのか?

 これは何度も書いてきたことだが、始まりは1992年のウォルフォウィッツ・ドクトリン(DPGの草案)。1994年に国防大学のスタッフだったマイケル・グリーンとパトリック・クローニンがカート・キャンベル国防次官補を介してジョセフ・ナイ国防次官補やエズラ・ボーゲルに会い、日本が自立の道を歩き出そうとしていると主張、1995年の「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」につながる。

 1997年には「日米防衛協力のための指針(新ガイドライン)」が、また2000年にはナイとリチャード・アーミテージのグループによって「米国と日本-成熟したパートナーシップに向けて(通称、アーミテージ報告)」が作成された。そして2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターやワシントンDCの国防総省本部庁舎が攻撃される。

 2002年には小泉純一郎政権が「武力攻撃事態法案」を国会に提出、03年にはイラク特別措置法案が国会に提出され、04年にアーミテージは自民党の中川秀直らに対して「憲法9条は日米同盟関係の妨げの一つになっている」と言明、05年には「日米同盟:未来のための変革と再編」が署名された。

 そして2006年、キール・リーバーとダリル・プレスはロシアと中国の長距離核兵器をアメリカの先制第1撃で破壊できるとする論文をフォーリン・アフェアーズ誌(CFR/外交問題評議会が発行)に書いている。

 この頃、アメリカはすでにイラクを先制攻撃し、100万人とも言われる人びとを虐殺している。その後、戦乱はリビアやシリアへと拡大させているが、これは1991年にウォルフォウィッツが語っていたプラン通り。旧ソ連圏も軍事的に破壊、今はウクライナ。さらにカフカスなどからロシア、中国の新疆ウイグル自治区へも傭兵(かつてアル・カイダと呼ばれていた戦闘集団)を送り込む準備をしている。残るは東アジア。ネオコンは日本を東アジアの「アル・カイダ」にしようとしている。

 ここにきて野党やマスコミは「安全保障関連法案」を強行成立させようとしている安倍政権に対して批判的な言動を示しているが、つい最近まで推進派だった。アリバイ工作と言われても仕方がないだろう。ここまでくるとできることは限られている。



安倍政権の疑惑を追及していた「週刊ポスト」編集長が突如の更迭! 背後に官邸の圧力 LITERA 2015.07.13.

LITERA



 安倍政権の疑惑を追及していた「週刊ポスト」編集長突如の更迭! 背後に官邸圧力



LITERA 2015.07.13.

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菅官房長官の日歯連マネー疑惑をスクープした「週刊ポスト」(小学館)15年5月29日号

マスコミを懲らしめる」「沖縄の2紙をつぶす」発言であらためて露わになった安倍政権の言論弾圧体質。実際、安倍政権はこの間、ずっと自分たちを批判する新聞・テレビに対して徹底的に圧力をかけてきた。一連の朝日新聞バッシング、『報道ステーション』(テレビ朝日)への圧力、『NEWS23』(TBS)への安倍首相自らの恫喝、選挙直前のテレビ局へ圧力文書送りつけ……。

 しかし、そのターゲットは、新聞とテレビだけではなく、週刊誌にまで及んでいたらしい。

 この7月、「週刊ポスト」(小学館)で、三井直也編集長が就任わずか1年で更迭され、代わりに前編集長の飯田昌宏氏が返り咲くという前代未聞の人事が発令されたのだが、この人事の背後に官邸の圧力があったという仰天情報が飛び込んできた。

 あまり週刊誌を読まない読者は、なぜ「週刊ポスト」のような軟派週刊誌に?と思うかもしれないが、三井編集長が就任してからの「ポスト」は、それまでの軟派路線とはうって変わって、反安倍政権の姿勢を鮮明にしていた。毎号のように政権批判が特集され、今年4月には、高市早苗総務相の大臣秘書官をつとめる実弟が関わったとされる「高市後援会企業の不透明融資」問題をトップページで報道。

 続いて5月には、東京地検特捜部が捜査を始めた日本歯科医師連盟(日歯連)から、菅義偉官房長官が代表をしていた自民党神奈川県連に3000万円が迂回献金されていたとすっぱ抜いた。大手紙の政治部記者が言う。

「高市さんのスキャンダルは3月くらいから官邸内でも頭痛のタネになっていたね。もみ消しに動いたのが、菅さんだと言われている。高市さんの実弟に問題融資の回収を速やかに処理するよう指示したと言われたし、『ポスト』の報道後、高市さんの実弟が名誉毀損で訴えたのも、菅さんの指示らしい。ところが、その菅さんを今度は日歯連との関係で追及した。官邸の『ポスト』憎しは相当なものだった」

 実際、この間、「ポスト」には、官邸から様々な方法での圧力がかけられていたという。

 最初に行われたのは、安倍首相との蜜月ぶりがすっかり有名になった幻冬舎の見城徹社長から「ポスト」発行人・森万紀子氏へのプレッシャーだった。

「森さんは同じく小学館の『女性セブン』編集長を務めていた人物ですが、夫がバーニング系の事務所の社長を務めていることもあり、バーニングべったりで知られています。もちろん見城社長とも昔から仲がよく、『セブン』時代には見城社長をネタ元にしていた」(小学館関係者)

「ポスト」は今年2月に、テレビ朝日の放送番組審議会会長である見城社長が審議会で『報道ステーション』は政権擁護もすべきと発言していたことを暴露。それに怒った見城社長が旧知の森氏に裏で執拗な抗議を行っていたという。

「すでにこの時点で、森さんは三井編集長の更迭を考えていたようです。ただ、1年で交代させるのはさすがに難しいということで、時期はもう少し先を考えていた」(同前)

 しかし、そこに加わったのが官邸からの訴訟攻撃だった。前述した高市総務相の実弟が関わったとされる「後援会企業への不透明融資」報道をめぐって、高市氏の実弟がすぐさま「ポスト」を名誉毀損で訴えたのである。しかも、三井編集長だけでなく、発行人の森氏に、担当編集者、ライターまでを被告にするもので、さらに、高市氏の実弟は警視庁への刑事告訴まで行っていた。

「『ポスト』の記事は非常に慎重で、高市総務相が会見で否定した『日本政策金融公庫の不正融資に関与していた』というような話はそもそも書いていない。その不正融資が焦げ付いた後に、別の融資会社に口利きをしたという事実だけです。それなのに、民事、刑事両方で、発行人やライターまで訴えた。SLAPP訴訟の典型です」(前出・大手紙政治部記者)

 さらに5月、前述した東京地検特捜部が捜査を始めた、菅官房長官の日歯連3000万円迂回献金疑惑の記事に対しても、「ポスト」は菅官房長官から訴訟を起こされたという。

「菅官房長官は報道直後、囲みの取材で『弁護士と相談して、法的措置も含めて、いま、検討している』と答えたきり、一切会見はしていませんが、すでに東京地裁に提訴ずみと聞いています」(同前)

 とにかく、この訴訟で発行人の森氏をはじめ、小学館の幹部は震え上がった。そして、慌てて三井編集長の更迭を決めたのだという。後任の飯田編集長は、前述の軟派路線の上、政治的には保守で、むしろ中国や韓国叩きに熱心だった人物。同誌から安倍批判が消えるのは確実と言われている。

「一説には、名誉毀損裁判と編集長人事をめぐって、官邸と小学館の間で、何らかの裏取引があったのではないか、とも言われています」(小学館関係者)

 まあ、裏取引はともかくとして、安倍政権と自民党がいま、訴訟に出るという手を使って週刊誌を押さえ込もうとしているのは事実だ。

「高市総務相のケースもそうでしたが、自民党は閣僚や幹部のスキャンダルを週刊誌がやろうとすると、すぐに党の顧問弁護士をたてて、『訴訟するぞ』とプレッシャーをかける作戦をとっています。新聞とテレビは抗議だけで黙らせることができるが、週刊誌はそうはいかない。それで、週刊誌がいま、いちばん恐れる訴訟をもち出して、圧力をかけるわけです。週刊誌もよほどの鉄板の事実がない限り、スキャンダル追及なんてできなくなってしまいました」(週刊誌編集幹部)

 安倍政権によって脅かされているのは憲法9条だけではない。「言論の自由」がいま、危機に陥っているのだ。

田部祥太


「【参考人質疑で露わになった「日本版司法取引」法案の重大な欠陥】:郷原信郎氏」 晴耕雨読 2015/7/6

■ 晴耕雨読



参考人質疑露わになった「日本版司法取引」法案の重大な欠陥】:郷原信郎氏



晴耕雨読 2015/7/6
検察・司法・検察審査会

https://twitter.com/nobuogohara

本日(7月1日)の衆議院法務委員会の刑事訴訟法改正案の審議で、参考人として意見陳述を行います。

「日本版司法取引」についての審議です。

委員会は、午前9:00~12:00私の意見陳述は9:30~9:45の予定です。

衆議院ネット中継http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php

【参考人質疑で露わになった「日本版司法取引」法案の重大な欠陥】と題して、ブログ「郷原信郎が斬る」を更新しました。

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参考人質疑で露わになった「日本版司法取引」法案の重大な欠陥
投稿日: 2015年7月3日 投稿者: nobuogohara

一昨日(7月1日)に行われた衆議院法務委員会で、刑事訴訟法改正案に含まれる「捜査公判協力型協議合意制度」(いわゆる「日本版司法取引」)について、私も含め5人の参考人による意見陳述及び関連質疑が行われた。

その中で、検察官と被疑者・被告人との間の「合意」がどのような場合に行われるのかという点に関して、いずれも検察実務経験者の参考人である私と、高井康行弁護士の間で、認識に大きな乖離があることが明らかになった。

どのような場合に「合意」が行わるのか、というのはこの制度の根幹に関わる問題である。しかも高井参考人は与党推薦であり、法案を提出した法務省側からも事前に説明を受けていたと考えられることからすると、高井発言は、法案提出者の法務省側の認識に沿ったものと解することができる。

法務省は、検察官が、どのような場合に、どのような判断を経て「合意」に応じる判断を行うとの前提で法案を提出しているのだろうか。

この日本版司法取引制度は、検察官と被疑者・被告人との間で、被疑者・被告人において,他人の犯罪事実を明らかにするための捜査・公判協力を行い、検察官において,その裁量の範囲内で一定の処分又は量刑上の恩典を提供するという合意をするものである。この「合意」が成立すると、被疑者・被告人側は「他人の犯罪事実を明らかにするための捜査・公判協力」を行う義務を負う一方で、検察官は、「一定の処分又は量刑上の恩典を提供」する義務を負う。つまり、「合意」が成立した時点で、被疑者・被告人は、合意がなかった場合と比較して、刑事処罰に関して有利な取扱いを受ける権利が発生するのである。

そして、その合意は、検察官が合意から「離脱」しない限り有効であり、「離脱」という事態が生じない限り、被疑者・被告人側は、検察官に対して、処罰の軽減措置を求める権利を有することになる。

では、「離脱」がどのような場合に認められるか。それは、端的に言えば、被疑者・被告人の供述が真実ではないことが明らかになった場合である。「合意」の前提となった供述内容が真実ではなかったことが、被疑者・被告人の側の責任によることが明らかになった場合、つまり、当該供述が虚偽であったことを被疑者・被告人自身が認めた場合、或いは、真実ではないことが、その後の捜査等によって客観的に明らかになった場合である。

そうだとすると、「合意」は、検察官の当該被疑者・被告人の刑事事件の処分や、公判において求める処罰の内容等について重大な決定を伴うものであって、軽々に行えるものではない。

検察内部の手続として、刑事事件の処分を決する際に、主任検察官の判断について、上司の決裁が、事件の重大性によっては上級庁の決裁も必要とされる。それと同様に、「合意」を行うに当たっては、刑事処罰を軽減する重要な決定なのであるから、上司の決裁を受けることになるはずだ。そのような検察官としての決定を行うに当たって、供述が信用できるものであるか否かについて、供述内容の検討及び裏付け捜査を行った上で「合意」するのが当然である。それを行わないまま「供述が真実かもしれないので取りあえず合意をする」などということは考えられない。

ところが、高井参考人の発言は、検察官は、被疑者・被告人が供述しようとする「他人の刑事事件」の「おおまかな外形」だけで、まず「合意」を行い、その後に、具体的な供述をさせて、その内容を検討することを前提にしている。具体的には、國重徹議員(公明党)の質問に対する高井参考人の以下の発言である(【7月1日衆議院法務委員会】開始後2:08:08頃から)

普通、協議の場面というのは、私がその当時者としてしゃべるとすると、「うちの依頼人はこういうことを知っていますよ。」「こういうことまではしゃべれます。」と、具体的な事実は何も言わないわけですね。そこで具体的事実を言ってしまったら、タダで自分の商品を売ることになるじゃないですか、わかりやすく言えば。だから、「こういう良いものを持っています」ということは言うんですが、箱の中に何が入っているのかは言わない。ただし、検察官としても、空箱を買わされても困るわけですから、当然、「箱の中に、蛇が入っているのか、それともミミズがはいっているのか、それくらいは言え」という話になると思うんですね。「蛇じゃないけどミミズは入ってますよ。」というぐらいの話なんです。そうすると検察官が、「ミミズくらいでも買うに値するね。」と思えば「じゃあ合意しましょう」と。「じゃあ箱を開けてくださいよ。ミミズってどういう形をしているんですか。」という話になって、「このミミズははこういう形でここでとってきたものなんですよ。」と説明をすることになるんですね。

もし、この程度の「ミミズ話」で、合意が行われ、その話をした被疑者・被告人が処罰の軽減を受けることができるとすれば、とんでもない話である。人に対する刑罰・処罰というものをそんなに軽々しく軽減してよいのであろうか。そんなことで、検察に対する信頼が維持できるのであろうか。

しかし、これまでの衆議院法務委員会での上川陽子法務大臣や林真琴刑事局長の答弁を、改めて見てみても、供述内容をどの程度に確かめ、検察官としてどの程度に信用性の吟味を行った上で「合意」をするのかについては、明確な答弁は見当たらない。

この法案の委員会質疑の中で、与党議員から、私と同様の疑問が示されている。

(6月19日法務委員会、自民党井野俊郎議員の質問)

○井野委員 

そうしますと、例えば、B、Cの犯罪、詐欺について不起訴にするから、A、Bの犯罪、贈賄について話せということも可能となるわけですね。
その上で、この資料の例で申し上げますと、現金等の授受があって、お金には色がありませんから、これが例えば、単なる政治献金なのか、はたまた賄賂性を持った現金なのかということで、司法取引になってくると、捜査機関としては、現金の授受というものが、ある程度これは賄賂性があったんじゃないかと見込んだ上で司法取引というものを持ちかけるなり持ちかけられるなりということが、当然、今回予想されるわけであります。
すなわち、私が言いたいことは、検察官はある程度こういうことを見込んで司法取引を持ちかけたり持ちかけられたりということがあるわけですから、供述する側といいましょうか司法取引に応ずる側、Bとしては、検察官のストーリーに乗るといいましょうか、こうだったんじゃないかというような、ある程度、誘導というもののバイアスがかかるのではないかという点が考えられるわけであります。
この点については、当然、そういう制度を前提としますので、本当にこの問題は信用性というものが大きく問題になってきますけれども、この点の信用性担保について改めてちょっとお伺いさせていただきたいと思います。

○林政府参考人

合意制度におきまして、合意成立後に取り調べというものが行われる場合がございます。その場合についての御質問であろうかと思います。
まず、本法律案におきまして、合意に基づく供述が他人の公判で用いられる場合には、その合意内容が記載された書面が、当該他人にも、また裁判所にも必ずオープンにされて、その場で供述の信用性が厳しく吟味される仕組みとなっております。そのために、合意に基づく供述というものにつきましては、裏づけ証拠が十分に存在するなど、積極的に信用性を認めるべき事情が十分にある場合でない限り、信用性は肯定されません。仮に、特定の供述に誘導するような方法がとられたことが後の公判で明らかになれば、もともと合意に基づく供述は裁判所において警戒心を持って受けとめられることと相まって、その供述の信用性については回復しがたい疑念を持たれることとなります。
したがいまして、検察官といたしましては、合意後に取り調べを行うような場合には、その信用性に影響を及ぼすような取り調べとならないよう十分留意して、任意かつ具体的な供述を得た上で、その裏づけ捜査を徹底して行って、供述の信用性を慎重に吟味することが不可欠となります。

(中略)

○井野委員

先ほどの点なんですけれども、Bとの司法取引の中で、この現金が賄賂性を持ったものだと見込んだんだけれども、いや、単なる政治献金でした、結局、贈賄罪はできませんでした、かつ、B、C間の詐欺罪についても不起訴の合意をしていたから、それについても不起訴になってしまうと。私は、ちょっとこの点、果たしてこれが、国民的理解といいましょうか、結局、Bとしては、二重のお得と言ったらおかしいんですけれども、多大なる利益を得てしまうように私は感じるんですね。当然、Cとしては、被害者でありますから、なぜ私の犯罪まで不起訴になってしまうのかというような、そんな思いを場合によっては持たれる方もいると思うんですね。
その点について、国民的理解といいましょうか、適正な刑事司法と言えるのかどうなのかというのは、私はちょっと疑問に思うところがあるんですけれども、その点についてはどうなんでしょうか。

○林政府参考人 

基本的に、今回の合意制度について対象事件を限定したところにつきましては、やはり、犯罪の軽重等を考えまして、組織的な犯罪について適正な刑罰を科すことの必要性、それに資するための行為をした者について何らかの利益を与える、こういった形で一番ふさわしい類型の対象事件は何かということで限定したものでございます。その中では、結果的に双方が不起訴になるというようなことがないわけではないとは思いますけれども、基本的に、そのようなことについて、制度としては、国民の理解が得られ得るものとして対象事件を限定したと考えております。

井野議員は「被疑者・被告人Bと検察官の間で、AがBから賄賂を収受したとの『他人(A)の犯罪事実』についてBが供述を行い、検察官がAを起訴した場合には、BがAの公判で贈賄を証言するという協力を行う見返りに、BがCから金銭を騙し取った詐欺罪を不起訴にするという『合意』が行われた」という設例を挙げて、第1に、そのような事例において、司法取引を持ちかけたり持ちかけられたりした検察官が、Bに対してAの収賄が成立するようなストーリーを作って、Bをそのストーリーに沿った供述をするよう誘導しようとする恐れがあるのではないかという疑問を指摘した。

それに対して、林刑事局長は、合意に基づく供述によって起訴した場合には、合意内容が記載された書面が、当該他人にも、裁判所にもオープンにされて供述の信用性が厳しく吟味される仕組みとなっており、仮に、特定の供述に誘導するような方法がとられたことが後の公判で明らかになれば、その供述の信用性については回復しがたい疑念を持たれることになるので、検察官の誘導はあり得ないと答弁している。

そこで、井野議員は、第2の疑問として、上記の設例において、「合意後、Bの取調べを行い裏付け捜査を行ったが、Bの供述に基づいてAを収賄で起訴するには至らず、一方で、検察官とBとの間では合意が成立しているので、Cからの詐欺についても不起訴にせざるを得ず、結局、両方の犯罪が不起訴に終わってしまった」という事態に対して、国民的理解が得られないのではないか、適正な刑事司法とは言えないのではないかと指摘している。

それに対して、林刑事局長は、「組織的な犯罪について適正な刑罰を科すことに資する行為をした者に何等かの利益を与えるのに一番ふさわしい類型の対象事件に限定されている」ということを理由に、国民的理解が得られると述べているのである。

井野議員の提示した二つの疑問は相互に関連しており、誠にもっともである。林刑事局長の答弁は、それらの疑問に対して正面から答えていない。

確かに、「合意」が行われ、Bが処罰の軽減の恩典を受けることの見返りに贈賄供述をしたことが明らかになっていれば、裁判所でも信用性が厳しく吟味されるであろう。しかし、Aを起訴できないということになると、単に、Bに詐欺事件の不起訴という恩典を与えただけの結果に終わってしまう。Bの詐欺事件の被害者Cが不起訴処分に納得できず、検察審査会に審査を申し立てた場合、「合意」が成立していたので不起訴にしたということだけでは、実際にAを起訴できていない以上、審査員の納得は得られないだろう。その結果、強制起訴ということになれば、さすがに検察庁内で問題になりかねない。

そうなると、検察官は、「合意」をした以上、何とかしてAを収賄で起訴しようと取調べを行い、B供述と客観的証拠との辻褄を合わせようとし、その過程で、検察官が、Bの供述を、Aを起訴できる方向に誘導する可能性も十分にある。

実際に、今年3月5日に名古屋地裁で無罪判決が言い渡された美濃加茂市長事件では、贈賄供述者が、4億円近くにも上る悪質な融資詐欺を自白していながら、そのうち2100万円の事実だけしか立件・起訴されていない中で贈賄を自白し、その後、残りの融資詐欺が捜査も起訴もされていなかったことから、弁護人は、公判前整理手続の段階から、贈賄供述者が、融資詐欺での検察官の有利な取り計らいを期待して虚偽の贈賄を自白した「闇司法取引の疑い」を主張していた。そして、弁護人が4000万円の融資詐欺の余罪について告発を行ったのに対して、検察官が追起訴をせざるを得なくなるなど、検察官の有利な取り計らいの疑いが一層強まっていた状況の下で、検察官が行ったことは、贈賄供述者の証人尋問に備え、「連日朝から晩まで休みもなく打合せを行い、贈賄供述者に証言内容を覚え込ませること」だったのである。しかも、このような異常なまでの打合せが行われていたことは、贈賄供述者が、在監していた施設の隣の房にいた人物に書いた手紙を弁護人が入手したことから明らかになったのである。証人尋問の準備のために検察官が贈賄供述者と接触した回数・時間等について、弁護人が検察官に資料の開示請求を行っていたが、検察官は開示しようとしなかった。

さらに、このような検察官による「証人尋問への異常な対応」が行われたことが公判廷で明らかになり、一審で無罪判決が言い渡されたのに、検察官は控訴し、控訴趣意書で、「一審での検察官の対応には何の落ち度もなかった」と強弁しているのである。【組織の面子にこだわり「検察史上最悪の判断」を行った大野恒太郎検事総長】

このことは、「合意」が行われたような場合でも、検察官が、必死になって供述の信用性を高め、あるいは維持しようと思えば、誘導も含めてあらゆる手段を取ること、そして、検察組織としても、それを容認していることを示しているのである。

このような事態が生じないようにするための唯一の方法は、「合意」を行う前に、供述内容を精査し、裏付けをとって信用性を吟味することである。それなくして、検察官が、「協議合意制度」を適切に運用できるとは考えられない。

ところが、その法案審議の委員会で、与党推薦の検察の実務経験者の参考人として出てきた高井弁護士は、検察官が、供述内容も確かめず、信用性も吟味しないまま、「合意」するのが当然であるかのように言い放ったのである。

もし、そのような検察官の対応が行われるとすると、高井参考人が言うところの「凡そ食えないミミズ話」が、検察官に安売りされて、無責任な処罰軽減ばかりが行われるか、逆に、それを避けようとして、ミミズ話で無理やり起訴するために、検察官の取調べや、証人尋問の「打合せ」で、供述の信用性が後から作り上げられることになりかねない。

そのような事態が、果たして、世の中に説明できるのだろうか、納得が得られるのだろうか。

今後の国会審議の中で、この点について法案提出者の政府・法務省に明確な答弁を求めた上、十分に議論することが不可欠であろう。

それなくして、「捜査公判協力型協議合意制度」を含む刑訴法改正案を成立させることがあってはならない。


「横畠さん、そうとうこたえている模様:川口創弁護士」 晴耕雨読 2015/7/5

■ 晴耕雨読



 横畠さん、そうとうこたえている模様:川口創弁護士



晴耕雨読 2015/7/5

ジュリスト7月号の大森政輔元内閣法制局長官と長谷部恭男早大教授との対談では、横畠さんの師匠の大森さんが、安保法案を憲法違反と断言。

大森さんは、国民安保法制懇の会見などでも、横畠さんを「内閣法制局を普通の役所にしてしまった」と痛烈に批判しています。

6月25日発売のジュリスト7月号を横畠内閣法制局長官はお読みになったと思われます。

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大森元内閣法制局長官が痛烈に安保法案を批判。

明確に違憲と断言。

横畠さん、そうとうこたえている模様。

その直後から、国会での発言、ブレ始めてます。

>rima #報ステ (2015/7/1) 衆院特別委員会 #安保法案 柳澤協二参考人「私も本当に実務家、防衛官僚としても、これは自信を持って安全確保でいきますとは、とても大臣や総理には進言できない問題であるという感覚が拭い去ることができない」

クリックすると元のサイズで表示しますクリックすると元のサイズで表示しますクリックすると元のサイズで表示しますクリックすると元のサイズで表示します

>国民安保法制懇・お知らせ ‏ジュリスト7月号(6月25日発売)。大森政輔元内閣法制局長官が集団的自衛権行使容認を憲法違反、安保法案は無効と断言。発売後すぐに、横畠内閣法制局長官と、内閣法制局の皆様宛に、ジュリストをお送りしています。

長谷部恭男、小林節両氏は憲法審査会に、柳澤協二、伊勢崎賢治両氏は安保特の参考人として出席。

憲法上の観点からも、防衛上の観点からも、紛争解決の観点からも、安保法制は廃案とすべき。

横畠内閣法制局長官は、完全に読み誤った。

首相、防衛相、外務相、内閣法制局長官の答弁がバラバラでぶれまくっている。

政府統一見解をしっかり求めるべき。

しかも、安保法案で議論すべきかなりの論点がまだ審議されていない。

採決を視野に入れて良い状況ではまったくない。

大森元内閣法制局長官を前に、自信を持って安保法案の合憲性を説得できるか?横畠内閣法制局長官。



組織の面子にこだわり「検察史上最悪の判断」を行った大野恒太郎検事総長 郷原信郎が斬る H.27/03/19

郷原信郎が斬る



 組織の面子にこだわり「検察史上最悪の判断」を行った大野恒太郎検事総長



投稿日: 2015年3月19日 投稿者:

昨日(3月18日)午前10時、名古屋地裁から、「美濃加茂市長に対する無罪判決に対して検察官が控訴を行った」という連絡が入った。

3月5日に言い渡された無罪判決に対する控訴期限は3月19日である。地方自治体の現職市長に対して言い渡された無罪判決に対する控訴の可否の判断なのだから、慎重の上にも慎重な判断を行われるのが当然である。期限の一日前の、しかも朝に、検察官の控訴申立書が慌ただしく裁判所に持ち込まれるなどという事態は、予想していなかった。

3月16日に、一部マスコミが「検察が控訴の方針を固めた」と報道したことを受けて、翌17日に当ブログに出した【「美濃加茂市長無罪判決に検察控訴の方針」は、「妄想」か「狂気」か】は、BLOGOS、ハフィントンポストにも転載され、トップページ、或いは準トップのページに掲載され、ページビューも大きく伸びていた。

このブログでは、検察控訴の方針を報じる中日新聞の記事で、「検察関係者の主張」によると、「二人のメールのやりとりや、授受を聞いたとする関係者証言などについて判決が評価していない点が不服だ」とされていたことに関して、これらの証拠の具体的な中身を示して、賄賂授受の証拠になど全くなり得ないものであることを詳述し、検察が控訴の方針だとすれば、「担当検察官が都合のよい証拠だけ取り上げて説明するのを鵜呑みにし、弁護人の弁論も読まず、証拠全体も見ていないのではないかと思える」と書いた。

このようなブログが世の中に拡散することによって、「証拠上、控訴はあり得ない」「無罪判決が覆る可能性はない」との認識が広まり、検察内部でも動揺が生じて、証拠を再検討すべしという意見が出てくるのを恐れて、控訴期限の一日前の朝に控訴申立書を裁判所に提出するという「異例の対応」が指示されたとしか思えない。

悪質極まりない4億円近くもの融資詐欺を行いながら、僅か2000万円余しか立件されていなかった「詐欺師」の贈賄供述を信じ、同席者の聴取すら行わないまま現職市長を呼び出して聴取に踏み切ったこと、逮捕して勾留請求を行ったこと、何ら新たな証拠もないのに起訴したこと、公判での弁護人の反証で賄賂授受の立証が完全に崩壊しているのに有罪論告を行ったこと、そして結果的に当然の無罪判決を受けたこと、この全てについて、もし、検察が控訴断念の決断をしていれば、名古屋地検の担当検察官の暴走と地検幹部の監督責任という、地検レベルの問題で済ますことも不可能ではなかったはずだ。

しかし、この「当然の無罪判決」に対する控訴を行ったことで、検察はそれまでの名古屋地検の暴走を、組織として認めただけではなく、市長を控訴審の被告人の立場に立たせることで美濃加茂市民に更なる不利益を生じさせ、市政に影響を及ぼす責任を、組織として背負い込むことになった。秋元祥治氏もブログ【美濃加茂・藤井市長、検察は控訴だって。これ、無罪確定ならだれが責任とるんですかね。】で、控訴に関する検察の責任を適切に指摘している。

そもそも、先進国で、無罪判決に対する検察官控訴を認める国はほとんどない。アメリカでも、無罪判決に対する上訴は認められていない。

日本国憲法は、第39条で「既に無罪とされた行為については,刑事上の責任を問われない。又,同ーの犯罪について,重ねて刑事上の責任を問われない」と規定している。この規定は、「国家がある犯罪について刑罰権の有無を確かめるために,被告人を一度訴追したならば,もはや同一人を同一事実について再度刑事的に追及することは許されない」という英米法の「二重の危険の原理」を規定したものとする説が有力であり、かねてから、「無罪判決に対する検察官控訴は憲法 39条に違反する」という主張がなされてきた。

判例は、「一審の手続も控訴審の手続もまた,上告審のそれも同じ事件においては,継続せる一つの危険の各部分たるにすぎない」という理由で、検察官上訴を許容してきたが、学説では根強い批判がある。(【検察官上訴の研究 二重の危険の原理の観点から 高倉新喜】他)

つまり、一審無罪判決に対して検察官が控訴を行うこと自体に、憲法違反の疑いがあるのだ。もし、例外的に、検察官控訴が容認されるとしても、一審判決が法令の解釈や適用を誤った場合や、十分な証拠に基づく判断が行われなかった場合などに限られるはずである。実際に、検察実務でも、無罪判決に対する控訴は、一審が採用しなかった証拠、或いは新たな証拠の提出が可能な場合に限る、という取扱いが行われてきたはずだ。

美濃加茂市長事件の一審判決に対して、法令の解釈・適用に関する問題など何もない。しかも、「事件との関連性など全くない」として弁護人が強く反対した「渡したことを聞いたとする関係者」についても検察官の尋問請求が認められるなど、検察官の請求証拠はすべて採用した上で、無罪の判決が言い渡されたもので、証拠採用に関する問題も全くない。

前記ブログで述べた「証拠関係からして一審無罪判決が覆る可能性が全くない」というだけでなく、それ以前の問題として、無罪判決に対して検察官が控訴できる場合に当たらないのである。

どうして、このような無茶苦茶、デタラメな控訴の判断が行われたのか。検察組織のトップである大野恒太郎検事総長は、何を考えて、名古屋地検、名古屋高検の控訴意見を認める判断をしたのか。

検察内部のことだけに、真相は知る由もないが、マスコミ関係者や検察関係者からの情報によれば、大野総長を含め検察幹部は、美濃加茂市長事件の一審判決の前に、無罪判決が出る可能性すら認識しておらず、当然有罪だと考えていたようだ。「予想外の無罪判決」に対して、「検察が引き下がるわけにはいかない」として、証拠判断とは別のところで控訴の方針が決まったようだ。

しかし、仮にそうだとすると、検察組織における事件の捜査・公判に関する報告の在り方に重大な問題があると言わざるを得ない。

美濃加茂市長事件での逮捕、勾留、起訴が、何の証拠にも基づかないもので、公判審理の過程でも無罪の可能性が高まっていることは、私が、逐一ブログで述べてきた(【「責任先送りのための起訴」という暴挙】【「空振り」被告人質問に象徴される検察官立証の惨状】【美濃加茂市長事件、「検察の迷走」を象徴する実質審理の幕切れ】など)。

そして昨年12月24日に行われた公判期日での弁護人の弁論で、検察官立証が完全に崩壊したことは、公判に立ち会っていた4人の検察官は十分に認識したはずだし、その上司も弁論を読んだはずだ。そして、この時点で、主任弁護人の私が、無罪判決を確信したことは、年末のブログ【美濃加茂市長事件結審、揺るがぬ潔白への確信】でもはっきりと述べている。

実際、3月5日の判決公判期日、開廷前に久々に目にした主任検察官の関口検事の顔色は、それまで見たこともないほど蒼白で、明らかに無罪判決を覚悟していた様子だった。

それなのに、名古屋地検から上級庁に「有罪判決が出る見通し」が伝えられていたとすると、検察内部での重要事件の報告体制に重大な欠陥があることは明らかだ。

このような組織に、社会に重大な影響を与える刑事事件に関する決定を行わせることは危険だし、先日、閣議決定され、今通常国会に法案が提出される予定の「日本版司法取引法案」についても、そもそも、「検察組織が、司法取引を適正に行えるような信頼できる組織なのか?」という点から根本的に考え直してみる必要がある。

今回、検察が組織として行った控訴の決定は、明らかに誤りである。

検察官には、控訴を行う権限が与えられているだけでなく、行った控訴を取り下げる権限もある。

私は、昨日、名古屋地裁から検察官が控訴を行ったとの連絡を受けた後、ただちに、最高検察庁宛の要請書をファックス送付した(名古屋高等検察庁、名古屋地方検察庁にも同旨の要請書を送付)。その中で「検察の理念」にも言及し、以下のように述べている。

控訴を断念することにより、本件に対するこれまでの検察官の権限行使に重大な問題があったことを自認せざるをえなくなることは確かである。しかし、それを怖れて、理由のない不当な控訴という権限行使を行うことは、検察の理念に照らしても、断じて許されないものである。

すなわち、一連の検察不祥事を受けて定められた「検察の理念」においては、検察官の権限行使に関し、「自己の名誉や評価を目的として行動することを潔しとせず,時としてこれが傷つくことをもおそれない胆力が必要である。同時に,権限行使の在り方が,独善に陥ることなく,真に国民の利益にかなうものとなっているかを常に内省しつつ行動する,謙虚な姿勢を保つべきである。」と述べられており、検察としての面子にこだわり、或いは、捜査・公判の不当性を自認することを怖れて控訴を行ったとすれば、明らかに上記理念に反するものである。


「過ちは改むるに憚ること勿れ」という言葉がある。

大野検事総長が、今、まず行うべきことは、名古屋地検からの報告を鵜呑みにすることなく、証拠全体を再検討した上、控訴が「過ち」であったことを認め、控訴の取下げを行って無罪判決を確定させることである。



身内擁護に御用学者…法務省の審議会に参加した映画監督・周防正行がトンデモ実態暴露! LITERA 2015.06.16 

LITERA



 身内擁護に御用学者…法務省の審議会に参加した映画監督・周防正行がトンデモ実態暴露!



LITERA 2015.06.16.



『それでもボクは会議で闘う
 ドキュメント刑事司法改革』(岩波書店).

 周防正行といえば、映画『Shall we ダンス?』や『シコふんじゃった。』で日本アカデミー賞を受賞した日本を代表する映画監督。バレリーナ・草刈民代の夫としても知られている。

 その周防が警察や検察の取り調べを改革するための法案作りの審議会に参加していた――。そんな事実を知ったら、少し意外な感じがするかもしれない。しかし、それは、われわれ国民にとっては大正解の人選だった。

 周防はこのほど、『それでもボクは会議で闘う ドキュメント刑事司法改革』(岩波書店)という本を出版。その会議で自分が体験したできごとをつぶさに公開し、お役所の審議会の唖然とするような実態を暴露したのだ。


 周防が法務省所管の法制審議会の「新時代の刑事司法制度特別部会」委員に選出されたのは2011年6月。当時は調書改ざんなど検察の不祥事が大きな社会問題となり、足利事件が冤罪だったことも発覚するなど、司法・警察の不祥事が続発していた。そこで制度改革の必要性が指摘され、設置されたのが、この部会だった。

 周防は07年に痴漢冤罪事件をテーマにした映画『それでもボクはやっていない』を製作して以降も、現状の司法制度全般に問題意識を持っていた。日弁連からの推挙を受けた周防は当初、受諾することを悩んだが「映画監督として取材するつもりで」との言葉に説得され、これを引き受ける。

 しかし、周防の目の前に立ちはだかったのは、不条理ともいえるお役所の厚い壁だった。

 会議のテーマは多岐に及んだが、本書では「取り調べの可視化」「裁判における証拠の全面開示」、そして人質司法と言われる「身柄拘束の実態」についての議論がメインとなっている。

 まずは特別部会の最大の使命だという「取り調べの可視化」についてだが、これは最初の人選からしてひどいものだったらしい。

「(委員には)取調べの録音・録画を研究している学者は選ばれていなかったようだし。取調べにおける被疑者の心理状態について考えるなら、心理学社、あるいは心理学的知見から取調べを研究している学者が選ばれても当然だと思うのだが、そういった人選はまったくされていなかった」

 親しい法曹関係者からも「絶望的メンバーですね」とスタート早々言われてしまったという。

 しかも、その予想は見事に当たってしまった。約1年話し合った末、「部会長試案」として出された指針は、とんでもないシロモノだった。

「可視化」は足利事件だけでなく志布志事件、氷見事件など密室の取り調べでの自白強要、その延長上で警察によって作られた冤罪が多数存在することで、導入が検討されることになったものだ。

 ところが、「部会長試案」にはその取り調べのやり方に対するこんな総括が書かれてあった。

「取調べによる徹底的な事案の解明と綿密な証拠収集及び立証を追求する姿勢は、事案の真相究明と真犯人の適正な処罰を求める国民に支持され、その信頼を得るとともに、我が国の良好な治安を保つことに大きく貢献してきたと言い得る」
「職務熱心のあまり取調官が無理な取り調べをし、それにより得られた虚偽の自白調書が誤判の原因となったと指摘される事態が見られる」

 長いだけでわかりづらいお役所文書だが、ようは、これまでの自分たちのやり方を全肯定し、称賛しているのだ。反省や改革の姿勢などまったくないことがよくわかるだろう。周防もこれには、愕然としたようだ。

「ため息しか出ない。いつ国民は密室での取調べを支持し、信頼したのだろう? そしてすべては『指摘されている』だけで、実際にそうなっていると書かない。これでは、今までの取り調べがいかに優れたものであったかを強調し、その弊害については『取調官の職務熱心』という個人的な資質の問題に帰しているだけではないか。」

 さらに、部会長試案では、可視化についての対象も提案されていたのだが、それは「裁判員制度事件の身柄事件だけを対象とする」(甲案)と「録画・録音は取調官の一定の裁量に委ねる」(乙案)の2つ。どっちにしても、ほとんどの事件の取り調べで可視化を避けることのできる、改革でもなんでもないシロモノだった。

 当時、周防は親しい弁護士から、「試案が提示された会議で、どうして席を立たなかったのか」批判され、周防自身もこんな絶望感を抱いたという。

「法務省の警察に対する配慮、検察を気遣った(というか法務省自身がほとんど検察なのだから身内への配慮、すなわち自分たちの擁護というわけだが)、反省のない、消極的姿勢で会議を続けたら、真の改革など達成できるはずがない」

 その後の長い議論でも「被害者のプライバシー」「被疑者家族の生命への危害」など様々な理屈をこねて、可視化の範囲をなるべく狭めようとする警察、検察、法務関係の委員たち。これに対し周防は反発する。

「取調べの録音・録画は、捜査機関に今までのような取調べをさせないための制度だ。それを今までの取調べができないから反対です、というのだから現状認識からして誤っている」

「証拠の全面開示」にしても同様だった。多くの国民はもしウソの自白を強要されても裁判が正しい判断をすると信じきっている。しかし捜査段階で得られた調書、物証などの証拠は検察が握り、全ての証拠が裁判所に提出されるわけではない。検察にとって都合の悪い証拠は裁判所に提出されないのだ。例えば袴田事件や東電OL事件なども、被告の無罪を証明する数々の物証を検察は持っていながらそれを握り潰していた。

 つまり、冤罪を防ぐにはこの「証拠の全面開示」は必須なのだが、しかし、当局側の委員はもちろん、客観的な立場であるはずの刑法学者までが、この改革に一貫して抵抗したという。たとえば、京都大学教授で刑事訴訟法学者の酒巻匡は全面一括開示が制度として適当でない、と頑強に反対した。

「(酒巻の話は)前もって被告人がすべての証拠に目を通してしまえば、すべての証拠に矛盾しない嘘の弁解を容易することができるからダメだということらしい」

 しかし、これに対する周防の反論はこうだ。

「すべての証拠に矛盾しない弁解ができたら、被告人は犯人ではないということではないのか。酒巻さんの意見は、被告人は真犯人だから嘘をついて言い逃れをするものだという前提に立っているのではないかと思う」

 実は、酒巻は現行の証拠開示制度の設計に関わった人物でもあるという。そんな人物を委員に入れているのだから、何をかいわんやである。

「人質司法=身柄拘束」もしかりだ。例えば、痴漢で逮捕された場合、認めれば即釈放だが、否認すれば3〜4カ月も拘留されてしまう。その理由の多くは逃亡の恐れや証拠隠滅といったものだが、しかしそのほとんどは、検察のいいなりに裁判所が安易に判断しているもので、身柄拘束の必要がないものが多い。そして、この制度が冤罪の温床にもなっている。

 ところが、これについても、当局関係者は議論にすることも忌々しいとの態度で「厳格に適用されている」と主張。もう一人の専門家である中央大学教授の椎橋隆幸は、「そもそも人質司法といえる実態があるのか」といった呆れた疑問まで口にしたという。こうした会議に選ばれる専門家は御用学者が大半といわれていたが、ここまでひどいとは……。

「端的に言えば、警察・検察関係者が、今までの捜査のやり方を、自ら客観的に、批判的に見ようとはしていないからだ」


 周防はこう分析するが、こうした現実の前に、彼の主張はまったく通用しなかったという。

 そして3年。できうる限りの主張をした周防だが、議論は噛み合わず、ある程度の妥協の末に「とりまとめ案」を承認した。現在でも周防の主張した全面可視化は実施されてはいないが、今後の運用を見守ることが大事だと指摘することで、自分を納得させるしかなかったようだ。

 周防はこの3年間をこう総括している。

「もともとは検察の不祥事が原因で開かれた会議であったはずなのに、その不祥事に対する批判も反省も忘れている人たちを相手に、改革の必要性を訴える日々は、虚しさに満ちたものだった。言葉を重ねても、手応えはなく素通りしていったり、強く跳ね返されるばかりで、およそ意見を闘わせたという実感はない。それでも最後まで言葉を尽くした。そうするよりほかなかった」

 本書を読むだけでも周防の疲弊が伝わり、当局関係者や役人の態度や言葉にうんざりする。それを3年間続け、こうして記録に残した周防には敬意を称したい。全面可視化には至らなかったが、官庁の審議会、諮問会議などの実態がこうして世に出たことだけでも、大きな意味があるはずだ。

(伊勢崎馨)



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