

慰安婦問題合意の非民主性を見事に喝破したトロント大学教授
新党憲法9条 2016年1月14日
慰安婦問題をめぐる今度の合意は、冷え切った安倍首相の日本と朴大統領の韓国との関係があまりにも行き詰まっていたため、関係改善の急展開ばかりに目を奪われがちだ。
しかし、合意の背景にあった米国の圧力や、合意そのものの本質が、今も昔も変わらぬ日韓の不平等性の歴史であることについて、わかりやすく説明して国民に教えてくれるものは皆無だ。
そう思っていたら、きょう1月14日の東京新聞紙上で、トロント大学の米山リサさんという教授が見事にその事を喝破していた。
この日韓合意は、当事者不在の国家間処理と言う点で、日韓政府が請求権問題は「完全かつ最終的に解決した」とする協定を結んだ50年前のつまずきの亡霊を見るかのようだと。
この合意は、米国に日本は付き従うという冷戦レジームの温存であり、沖縄の基地問題や、特定秘密保護法、安保関連法強行の延長線上にあるものだと。
安倍首相は「戦後レジームからの脱却」というが、むしろ戦後の冷戦体制を完成させつつあると。
その通りだ。
そして米山教授はこの事を書かない日本のメディアについてこう批判している。
戦前・戦前の検閲も、「勘ぐれ、おまえ」という自己検閲だった。侵略の過去を振り返らない民主主義は、他社を抹殺する攻撃的なナショナリズムに直結する。ジャーナリズムが見定めるのはその事である、と。
そのメディアに守られて、安倍首相は、国会での攻撃的発言がますますエスカレートしている。
反省のかけらもない首相が、歴史に残る日韓合意を成し遂げたというのなら、これ以上の逆説はない
(了)
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