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「ストップ・ジ・アベ」に向けて進撃を開始する―八王子市長選挙への立候補に当たって 五十嵐仁の転成仁語 2015-12-18

五十嵐仁の転成仁語


「ストップ・ジ・アベ」に向けて進撃を開始する―八王子市長選挙への立候補に当たって



五十嵐仁の転成仁語 2015-12-18 22:32
[選挙]

 今日、記者会見を行って、八王子市長選挙への立候補を表明しました。安保法制(戦争法)廃止を掲げ、「ストップ・ジ・アベ」に向けての進撃を開始することになりました。

沖縄の宜野湾市長選挙と同じで、告示は来年の1月17日、投票は1月24日です。沖縄のたたかいと呼応しながら、ともに勝利をつかみ取りたいと思います。

 それにしても、「びっくりポン」です。このような形で市長選挙に立候補するとは、夢にも思いませんでした。
 この間の戦争法案反対運動の中で、八王子ではノーウォー八王子アクションという共同の取り組みが広がりました。その中心メンバーからの立候補要請を受けたというわけです。
 このような共同の枠組みを生かしながら、それを基盤として市政の転換を図ることができれば良いのだが、と私も考えていました。それにふさわしい候補者がいれば、率先して説得に当たろうとも。

 ところが、その「ふさわしい候補者」とは、この私であると言うのです。突然のことでもあり、大いにためらいましたが、よくよく考えればそうかもしれないと思うにいたりました。

 その必要性を理解する私は、ためらう私を説得するはめに陥ったというわけです。人生には、火傷覚悟で火中の栗を拾わなければならないときがあるのではないかと。
 安倍暴走政治の下で、平和が脅かされ、立憲主義が揺らぎ、民主主義が壊されようとしているのが、今の世の中です。この緊急非常の今こそ、身を挺して立ち上がるべきときではないかと。


 安倍政治の暴走にストップをかけ、戦争法廃止を掲げて発展してきた共同の枠組みを広げ、八王子の持つ潜在力と可能性を汲み尽くしたいと思います。この共同の力があれば、政治の流れを変えることができると確信しています。

 そのためには、安倍首相やその側近である萩生田光一官房副長官につながる石森現市長を倒さなければなりません。もし、同じ日に投票される沖縄の宜野湾市長選挙と足並みをそろえて八王子で勝利することができれば、参院選に向けての共同の発展にとっても巨大な励ましとなることでしょう。

 地方選挙ではありますが、タイミングといい争点といい、全国的な意味のある重要な選挙になりました。それが十分すぎるほど分かっている私としては、他に選択の余地はありませんでした。

 今回の市長選挙の第1の意義は、安倍首相の暴走にストップをかけることです。ここ八王子で「安倍政治を許さない」という烽火を上げ、首相官邸に向け、全国に先駆けて進軍を開始する決意です。
 平和と安全、安心は市民生活の基盤をなすもので、地方自治体と言えども無縁ではありません。戦争になれば市民生活は破壊され、自治体は協力を迫られます。
 自然災害に対する「防災」だけでなく、戦争や放射能被害、TPPや消費税の10%への再増税など、市民を脅かすあらゆる災(わざわい)からくらしと命を守ることこそ本当の「防災」であり、市長としての最低限の務めではないでしょうか。戦争への反対を表明し、安保法制(戦争法)の廃止を目指すのは当然のことであると考えています。

 第2の意義は、この安倍政治に追随している石森市政の転換を図ることです。石森市長は「攻めのまちづくり」を掲げて大型開発に重点を置いた市政を続けてきました。
 少子化・超高齢社会化など社会経済状況の変化によって、量の拡大ではなく質の充実こそ目指すべき目標となっています。「攻めと破壊のまちづくり」ではなく、「平和とくらし、豊かな自然環境を守る町づくり」をめざし、中核市としての可能性と潜在力を汲みつくして緑あふれる学園都市を実現したいと思います。
 石森市政の全てを否定するつもりはありませんが、平和と安全、暮らしと福祉、文化と教育、緑と環境保全を優先するという点では、大きな限界がありました。市民の利益になる施策は受け継ぎつつも、トップダウンではなくボトムアップで市民や職員の皆さんと力を合わせ、対話と共同によって市政の限界と停滞を打破したいと考えています。

 私は右目が見えません。早期退職を選択したのは、残された左目に不安があったからです。当選して市長となり現役に復帰すれば、これまで以上に負担をかけることになるかもしれません。
 しかし、残された左目の光が失われることになったとしても、30年住み続けてきた第2の故郷、この八王子のために残りの人生を捧げる決意を固めました。皆様の厚いご支援をお願いいたします。

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高田創業社長、30年間、お疲れさまでした。 R K's blog 2015/12/18

Richard Koshimizu's blog


 高田創業社長、30年間、お疲れさまでした



Richard Koshimizu's blog 2015/12/18 00:25
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 「ジャパネットたかたの通販番組で高田明元社長が反戦を叫ぶ、高田明氏が僕は戦争のない世の中にしたいんだ!
 と訴えて歴史本を紹介、今こそ歴史を学ぶべきなんですと力説していたという。」


 高田創業社長、30年間、お疲れさまでした。最高の経営者人生を歩まれたと思います。

 貴殿のテレビ通販の語り口、大好きでした。

 全ての役職から退かれた今、これから、なすべきことはなんであるか、お分かりであると思います。

 尊敬する高田先輩と共に戦うことができるなら、最高の名誉です。

 リチャード・コシミズでした。



 2015/12/17 18:37

 スレチで失礼します。 独特の語り口…ジャパネット前社長、出演終了へ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151217-00050085-yom-bus_all
 
 通信販売大手のジャパネットたかた(長崎県佐世保市)の創業者で前社長の高田明氏(67)が、来年1月15日の放送でテレビショッピングの出演を終えることが分かった。  
 今年1月の社長交代から1年になるうえ、創業30周年を節目に引退する。 (中略)  
 今年1月16日に長男で副社長だった旭人(あきと)氏(36)に社長を譲り、全ての役職から退いたが、テレビ出演は続けていた。
 最後の出演がどのような形になるのかは近く決める予定だ。 読売新聞 12月17日 16時39分配信 >最後の出演がどのような形になるのか (以下、私の妄想) 高田前社長「さあ、いよいよ今日で皆さんとお別れとなる私が、まずはご紹介するのはこちらの書籍。リチャード・コシミズさんという方が先月出されたばかりの新刊『パリ八百長テロと米国1%の対日謀略』です!」 (以上、あくまで私の妄想で...

酢味噌


石田純一さんへ R K's blog 2015/12/07

Richard Koshimizu's blog


 石田純一さんへ



Richard Koshimizu's blog 2015/12/07 03:28
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R Ks blog
 安全保障関連法の廃止を求める学生グループ「SEALDs(シールズ)」などが主催した集会が6日、東京都千代田区の日比谷野外音楽堂で行われた。俳優の石田純一氏が「スペシャルゲスト」として登場し、「世界一平和で安全な国をなぜ変える必要があるのか」と訴え、安保関連法廃止を呼び掛けた。

 石田純一さん、仕事を干されても信念を変えない御姿勢、評価します。国政に打って出てください。

 ただし、周囲の「一見すると国士に見える」おかしな連中にご誘導され、毒気を抜かれないようにご注意ください。
 
 政治の世界は魑魅魍魎が跳梁跋扈しています。


 「正論」だけでは戦えません。知性と感性と正義感をフルに起動してください。

 貴殿と共闘できることをRKも願っています。

 国政への出方にも選択肢はあります。間違えると、取り込まれて利用されるだけです。



 2015/12/6 20:37

 石田さん、仕事が減ったり離婚危機とか書かれたり大変でしたね。また安保法廃止集会に出演し思いを伝えた石田さんに拍手を送りたい。理子さんの支えもあったのでしょう。

 石田純一氏、安保法廃止集会にサプライズ出演 「世界一平和で安全な国をなぜ変えるのか」冒頭スピーチ

http://www.sankei.com/smp/politics/news/151206/plt1512060022-s.html

とくお


日刊ゲンダイが報じた二つの大スクープ 新党憲法9条 2015年12月5日 

天木直人のブログ


 日刊ゲンダイが報じた二つの大スクープ



新党憲法9条 2015年12月5日

 日刊ゲンダイが二つの大スクープを立て続けに報じた。

 一つはTPP合意文書の日本語訳がいまでも作られていないという驚きの事実だ(12月3日付)

 2000ページにもおよぶTPP合意文書の内、日本語に翻訳されたのはわずか97ページで、そのうちメディアが概要として報じたのはごく一部だ。

 これがすべてであるかの如く受け止められ、TPP対策と称して莫大なばら撒きが行われようとしているのだ。

 このままでは、国民は愚か、メディアも政治家も、いや、官僚たちでさえ、TPPの全貌を知らないまま終わってしまう。

 気がついたらとんでもない事になっているおそれがあるのだ。

 二つは、2013年1月に起きたアルジェリア人質事件の驚くべき真相が明らかになったことだ(12月5日付)

 すなわち、あの事件では日本人10人を含む37人が殺害されたが、その殺害は、テロの犠牲で殺されたのではなく、アルジェリア軍の対テロ組織無差別爆撃でテロリストとともに殺されていたことが、アルジェリア軍とテロ集団とのやりとりを傍受した「録音テープ」の流出によって明らかになったというのだ。

 この二つのスクープは間違いなく日本の国政を揺るがす大きなニュースである。

 ところが、日刊ゲンダイがここまで書いたというのに、大手新聞やテレビはまったく報じようとしない。

 それが、政府に不利なことは報じないという意図によるものか、単なる怠慢やジャーナリズム精神の欠如なのかは知らない。

 しかし、はっきりしている事は、この国の大手メディアが流すニュースだけでは、何もわからないということだ。

 ただでさえニュースに関心を示さない国民が増えていると言うのに、そのニュースがこれでは、日本国民は何も知らされないまま日々を過ごしているということだ。

 安倍政権がやりたい放題できるはずである

 (了)


 

保阪正康 ノンフィクション作家 2012.8.31 / 山田太一 脚本家 「戦後70年 語る・問う」2014.11.14 [You-Tube動画]

[You-Tube動画]



 保阪正康 ノンフィクション作家 2012.8.31
 / 山田太一 脚本家 「戦後70年 語る・問う」2014.11.14


保阪正康 ノンフィクション作家 2012.8.31

https://youtu.be/HW_TpfCj9r4
 2012/09/21 に公開 1時間47分30

※音声が一部抜けていたため、再アップロードしました。
Masayasu Hosaka, Nonfiction writer
ノンフィクション作家の保阪正康氏が「昭和史からみた現代―東日本大震災後の日本を問­う」のテーマで話し、記者の質問に答えた。
会見詳録
http://www.jnpc.or.jp/files/2012/08/8...
司会 日本記者クラブ企画委員 瀬口晴義(東京新聞)
第15回記者研修会 
保阪氏のホームページ
http://www.aya.or.jp/~hosaka-m/
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news...

山田太一 脚本家 「戦後70年 語る・問う」2014.11.14

https://youtu.be/LJhOXaO9fzo
 2014/11/16 に公開 1時間35分07

 Taichi Yamada, Scriptwriter

 松竹の助監督を経て、昭和40年代から脚本家としてテレビドラマに関わってきた経験や­自信のドラマ論について語った。「マイナスを遠ざけ、忌避しようとする現代社会にあっ­て、マイナス部分を書き入れた人間を描くことこそテレビドラマの役割だと思う」と。

司会 川戸惠子 日本記者クラブ企画委員(TBSテレビシニアコメンテーター)

日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news...

会見詳録
http://www.jnpc.or.jp/files/2014/11/0...

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 記者による会見リポート(日本記者クラブ会報12月号に掲載)

 鋭い洞察力で社会の「マイナス」に分け入る

 東日本大震災後、NHKや民放で多くのドキュメンタリーが作られたが、震災を題材にし­たドラマは極めて少ない。2月にテレビ朝日で放送された山田太一さんの「時は立ちどま­らない」はその1つだ。

 被災地でも、津波で肉親や家を失った人と被災を免れた人では、­打撃の大きさや心の傷が異なる。2つの家族で交錯する複雑な思いを浮き彫りにした。

 「被災者は自分のせいじゃないのに、誰にも『ありがとう、ありがとう』と言わなければ­ならない無念さを抱えている。家族が助かった人にしても、どこかに後ろめたさがある。­ドキュメンタリーはそういうマイナスの部分に立ち入れず、ドラマこそが描くべき領域と­思いましてね」

 山田さんの話は、松竹の助監督時代、テレビの世界に転じたいきさつを経て、「マイナス­」という言葉がキーワードになった。核家族の崩壊と再出発を描いた代表作の「岸辺のア­ルバム」も、「戦後社会の澱(おり)のようなものが一家族にたまっている」とのモチー­フから作られたという。

 ごく普通の人間や家族を通して、社会の現実や時代の空気をリアルに描いてきた。穏やか­な語り口で、時にユーモアを交じえながらも、現代への洞察力は相変わらず鋭い。

 「僕より上の世代は軍隊を経験し、人には言えない闇を心の中に閉じ込めた。戦後の混乱­期にも多くのマイナスがあった。いまも別のマイナスがたくさんあるのに、みんなが見な­いようにしている。いまの若い人は優しいと言われるが、何となく孤立しているとか、頑­張りたくても頑張れないという悩みがある。そこに分け入るのがドラマの役割じゃないか­」

 会場からは、政治への関心など幅広い質問が飛び出した。松竹時代に仕えた木下恵介監督­への評価を聞かれると、「悪いところもいいと言う義理はないが、口にしないくらいの義­理はありますよね」と笑わせた。

読売新聞出身 鈴木 嘉一


気さくな名物経営者 樋口廣太郎の勲章拒否宣言 「佐高信の一人一話」 2015年11月23日

DIAMOND online


 気さくな名物経営者 樋口廣太郎の勲章拒否宣言



DIAMOND online 「佐高信の一人一話」 2015年11月23日


経営者の語る文学論に感心したことはほとんどないが、樋口廣太郎の司馬遼太郎評と藤沢周平評には唸らされた。

『味の手帖』という雑誌の1997年5月号で対談した時、樋口はこう言ったのである。

「司馬さんは好きだけど作りすぎるの。『坂の上の雲』にしても何にしても栄光を当てようとするでしょう。だから藤沢さんと全然違うんだよ。藤沢さんの小説は、自分が暗いときに読むともうたまらないんだなあ。居ても立ってもいられない」

『司馬遼太郎と藤沢周平』(光文社知恵の森文庫)を書いた私も頷ける指摘だが、そのとき樋口はこうも付け加えた。

「藤沢周平はきれいですよ。美意識が最後まで残っている。だけど辛いね、あれは。あまりにもきれいすぎて」

 銀行屋も楽じゃない

 財界の世話役ともいうべき存在だった樋口の名を私は伊藤肇の『はだかの財界人』(徳間書店)で知った。

 住友銀行の秘書役だったころ、樋口は「アカシアの雨がやむ時」の替え歌をつくった。

 札束の夢にうなされ このまま死んでしまいたい 夜があける 目がまわる 今日はあの町 明日はここ 泣きたくなるよな 成績表を見つめて あの支店長は 涙を流してくれるでしょうか

 これを紹介して伊藤は「銀行屋も楽じゃないねぇ」と注釈をつけている。

 樋口は天皇といわれた堀田庄三の秘書役だった。その後、アサヒビールに移り、社長、会長を歴任する。


 私が初めて会ったのは、樋口が社長になってまもなくで、私は当時、樋口の古巣の住友銀行のドン・磯田一郎を痛烈に批判した一文を『プレジデント』に書いており、けっこう緊迫した出会いだった。

 ただ、樋口独特の気さくさで、すぐに打ちとけ、京大の学生時代、樋口が長崎市長をやった本島等と同期で一緒にカトリック学生連盟の活動をしていたことなどを聞いた。

 その後何度か会ったが、一番驚いたのは1997年夏、樋口が理事長だった財界フォーラムに呼ばれて講演した時である。

 「どうして、サタカなんか呼んだんだ」と後から樋口はいろいろ言われたらしいが、私は銀行批判や大蔵批判を激しくやり、大人のワッペンである勲章などもらってはダメだと結んだ。

 すると樋口は司会者として、「人斬り稼業だとかいろいろ言っておりますけれども、彼の表現をもってすれば、あらまほしき評論家の一人だと私は思っています」と言ったのである。

 思わず私は、「本気ですか(笑)」と聞き返した。

 「いや、ホンマ、ホンマ、この一徹さは一服の清涼剤というか、自分では過激でも何でもないと言っておられるけれども、非常にすばらしいものがある。
 実は、私も勲章の内示をたびたび受けて、迷っておったんですけれども、今やめようと思いました(笑)。外国の勲章はもらうつもりでおります。これは断ると大変非礼になりますので」


 この発言にもビックリしたが、実は樋口の立場で勲章拒否はできないだろうと思っていた。しかし、それを貫いたのである。いろいろリアクションはあったようだが、立派である。その後、樋口は座長をしていた「日本と日本人の未来を描く」フォーラムで叙勲の廃止を提言した。

 苦情は成長のもと

 樋口をまだあまり知らなかった時、ある雑誌で批判したら、樋口は私に直接電話をかけてきた。私の経験では、自分でストレートに釈明の電話をかけてきたのは、樋口と富士ゼロックスの会長だった小林陽太郎だけである。知り合いの新聞記者に頼んだり、媒体に圧力をかけて私の連載をつぶそうとしたりする経営者が多い中で、この2人の印象は強く、すがすがしい。

 樋口は、主婦連など、消費者団体から何か言ってくると、待ってましたとばかりに自分から出かけた。

「そうすると、不思議そうな顔をして、会長、副会長が出て来られる。弁護士も出てくるわけですよ。それで、ここへ来る人なんていないんだけど、あんたみたいに、言うたらすぐに来る人は初めてだ、と。

 僕はここへ来るのが楽しい、おもしろいと言った。そうすると、弁護士さんがいろいろと言うから、あなた方から呼ばれてないから黙っていてください、と。それで僕は会長さん、副会長さん、みんな仲良しになっちゃう、すぐ」

 ビールについてもそうだった。

 社長時代、樋口は「苦情大好き」と言って、かかってきた電話をすべて記録させ、こちらから「こんにちは」と電話をかけた。まさか、社長自ら電話をかけてくるとは思わないので、「ホンマに、あんた社長なの?」と疑われたこともあった。

 私との対談で樋口は、「苦情というのは成長のもとですよ。やっぱり刺激受けるから、非常にありがたい」と言い、「わざわざ電話をよこすというのは、かなりしつこい人でしょう」と尋ねると「そういうの大好きなの」と笑っていた。

 それで私は脱帽したが、苦情をある種の宝として大切にしたことが、アサヒビールの奇跡の急成長の秘密だったことは容易に想像がつく。“朝日”ビールではなく“夕日”ビールだと陰口を叩かれるほど、当時、アサヒビールはキリンなどに差をつけられていたからである。

 思いがけないところで会ったこともある。

 夕方、池袋へ向かう地下鉄丸の内線に乗っていたら、池袋に着く少し前に樋口に声をかけられた。奥さんと一緒に目の前に立っている。その時のことを樋口はこう語っていた。

「そんなに何回も会っていないのに結構会ってるような気がするから、不思議な人。この間、池袋の芸術劇場へ行こうと思ったら、佐高さんが目の前で本を読んでいた。悪いなあと思ったけど『こんにちは』と言ったの。そしたらこの人びっくりした顔してね。『あんた地下鉄に乗ってるの?』って言うの」

 「あんた」ではなく「樋口さん」と言ったはずだが、驚いたことは確かである。広告などを見てると楽しいので、樋口はわりに電車に乗るのが好きだったらしい。


パリの同時多発テロへの正しい対応策を書いた東京新聞社説 新党憲法9条 2015年11月16日

天木直人のブログ


 パリの同時多発テロへの正しい対応策を書いた東京新聞社説



新党憲法9条 2015年11月16日

 きょう11月16日の東京新聞が「9・11からパリ・テロへ」と題する社説を掲げた。

 その主張は、ひとことでいえばこうだ。

 テロと憎悪と復讐の負の連鎖にならないよう、いまこそ世界は踏みとどまる時だ。
 14年前の9・11以降の世界は何をし、また何をしそこなってきたのか。
 米欧は、ましてや日本は、どれほどイスラム世界を理解しているというのか。
 欧米で憎まれるテロは、世界を異にすれば聖戦と呼ばれる。
 米国のアフガン、イラク戦争膨大な犠牲者と、パリの無辜犠牲者を並べて考えることもまた必要ではないか。
 大げさに言えば、世界史の中で私たちは試されているのだ、と。


 すべての大手紙が、テロは許せない、対テロ戦争で国際連帯せよ、という社説を当たり前のように掲げるなかで、この東京新聞の社説はひとり異彩を放っている。

 このような社説を書けるのは田原牧記者をおいて他にいない。

 アラブの春を取材し、「ジャスミンの残り香」を書いた、東京新聞の中東専門記者だ。

 彼の様な記者が一人でも日本にいる事に私は救いを見る。

 それにしても、こんな事件が起きた時だけきまって日本のメディアに登場する中東専門家たちの垂れ流す言説は、あまりにもひとごとのようだ。

 日本は中東問題にかかわる資格はない

(了)


BPOの安倍政権批判は安倍暴政の終わりの始まりである 新党憲法9条 2015年11月7日

天木直人のブログ


 BPOの安倍政権批判は安倍暴政の終わりの始まりである



新党憲法9条 2015年11月7日 

 放送倫理・番組向上機構なるものがNHKのクローズアップ現代をやらせだったと断じた事には驚いた。

 しかし、それよりもはるかに驚いたのは、そのBPOが、高市早苗総務大臣がNHKに文書による厳重注意をしたことについて、「政府が個別番組の内容に介入することは許されない」と厳しく批判したことだ(11月7日朝日新聞)

 いうまでもなく安倍政権になってから、権力側のメディアに対する介入があまりにも露骨に行われるようになった。

 そして、それを批判するものを安倍政権は許さなかった。

 許さないどころか報復すらした。

 その強引さにおそれをなして、いまや誰も面と向かって安倍首相を批判しなくなった。

 そんな中で、BPOは安倍政権がテレビ番組に介入したといい、それを厳しく批判したのだ。

 安倍首相と取り巻き連中は、このBPOの批判に衝撃を受け、怒り狂っているに違いない。

 自民党内には、BPOを解体し、政権の言いなりになるような組織に作り変える事を言い出す者も出てきたという(11月7日朝日)。

 おもしろくなってきた。

 やれるものならやってみたらいい。

 そんなことをすれば安倍政権はますます批判され、墓穴を掘ることになる。

 そして、もし安倍政権が今度のBPOの安倍批判に対して何の仕返しも出来ないなら、これをきっかけに安倍批判が続出するだろう。

 どっちに転んでも安倍政権には打つ手はない。

 今度のBPOの安倍政権批判は、安倍暴政の終わりの始まりであるような気がする

(了)


安倍政権の圧力に抗議…BPO委員の是枝監督が政治家の放送介入の実態を暴露!「BPOは政治家の駆け込み寺じゃない」 LITERA 2015.11.07. 

LITERA



 安倍政権の圧力に抗議…BPO委員の是枝監督が政治家の放送介入の実態を暴露!
 「BPOは政治家駆け込み寺じゃない」



LITERA 2015.11.07.
 
takaichikoreeda_01_151107.jpg
上・高市早苗公式サイトより/下・是枝裕和公式サイトより「PROFILE&WORKS」

 昨年5月に放送された『クローズアップ現代』(NHK)のやらせ問題について、昨日、放送倫理・番組向上機構(BPO)放送倫理検証委員会が意見書をまとめたが、やらせの検証報告以上に注目を集めているのが、BPOが政権からの番組圧力を強く批判したことだ。

《今回の事態は、放送の自由とこれを支える自律に対する政権党による圧力そのものであるから、厳しく非難されるべきである》(意見書より)

 これは今年4月17日、自民党の情報通信戦略調査会が『クロ現』のやらせ疑惑と『報道ステーション』(テレビ朝日)での元経産官僚・古賀茂明氏の発言を問題視してNHKとテレビ朝日の幹部を呼び出し事情聴取、さらに同月28日、両局に高市早苗総務大臣が「厳重注意」とする文書を出した件だ。今回、BPOは、この政権による番組への介入を「圧力そのもの」と明言し、政権の暴走に牽制をかけた格好だ。

 しかも、BPOは意見書のなかで、放送法を盾に圧力をかけた高市総務相を《(放送法は)放送事業者が自らを律するための「倫理規範」であり、総務大臣が個々の放送番組の内容に介入する根拠ではない》と厳しく批判。そもそも放送法の原則を守らなくてはいけないのは放送局や制作者ではなく、《政府などの公権力である》と突きつけている。

《放送法第1条2号は、その時々の政府がその政治的な立場から放送に介入することを防ぐために「放送の不偏不党」を保障し、また、時の政府などが「真実」を曲げるよう圧力をかけるのを封じるために「真実」を保障し、さらに、政府などによる放送内容への規制や干渉を排除するための「自律」を保障しているのである》
《政府がこれらの放送法の規定に依拠して個別番組の内容に介入することは許されない。とりわけ、放送事業者自らが、放送内容の誤りを発見して、自主的にその原因を調査し、再発防止策を検討して、問題を是正しようとしているにもかかわらず、その自律的な行動の過程に行政指導という手段により政府が介入することは、放送法が保障する「自律」を侵害する行為そのものとも言えよう》

 しかし、このBPOの真っ当な声明も、多くのニュース番組では『クロ現』のやらせ問題を大々的に取り上げる一方、政府の番組介入を「圧力」だと批判したことはオマケ扱いになっている。

 せっかく第三者機関が踏み込んで政府に釘をさしたのに、当のテレビ局側の及び腰を見ていると、ここまで萎縮は進んでいるのかと呆れてしまう。

 だが、このようにテレビ局が取り合わない事態を想定していた人物がいる。
 それは『そして父になる』『海街diary』などの作品で知られる世界的な映画監督であり、数々のテレビドキュメンタリーを手がけてきた是枝裕和氏だ。
 是枝氏は今回、意見書を出した放送倫理検証委員会のメンバーだが、本日7日、自身のブログに今回の意見書の私見を綴っている。


〈僕の予想が正しければおそらく当事者であるNHKはともかく、他局のニュースの多くは意見書の中で述べられた「重大な放送倫理違反があった」という委員会の判断について大半の時間を割いているのではないでしょうか。(といっても2、3分のことだとは思いますが)〉
〈僕の危惧が杞憂に終わっていれば良いのですが、この2つ目の指摘(編集部注:公権力による放送への介入について)がいろいろな思惑からメディア自身によってスルーされるのではないかという不安からペンをとることにした次第です〉

 まず是枝氏は、放送法第1条2号「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保する」を取り上げ、1950年の衆院電気通信委員会における綱島毅電波監理庁長官の発言を引き、〈第1条は放送従事者に向けられているのではなく政府(公権力)の自戒の言葉であることを、政府自らが明らかにしているんですね〉と解説する。

〈なぜそんな自戒の規定が必要だったかと言えば、それは放送という媒体がその成り立ちや電波という物理的性格からいって公権力の干渉を招きやすいメディアであるからなのです。敗戦の5年後にこの議論が行われていることに注目しなくてはいけません。つまりは「公権力」と「放送」が結託したことによってもたらされた不幸な過去への反省からこの「放送法」はスタートしているわけです〉

 また、もっとわかりやすいようにと、是枝氏は放送法の条文をこのように現代訳する。

「我々(公権力)の意向を忖度したりするとまたこの間みたいな失敗を繰り返しちゃうから、そんなことは気にせずに真実を追求してよ。その為のあなた方の自由は憲法で保障されてるのと同様に私たちが保障するからご心配なく。だけど電波は限られてるから、そこんとこは自分たちで考えて慎重にね」

 安倍首相は今年3月3日の衆院予算委員会で、昨年末自民党が在京テレビに「選挙報道の公正中立」を要請する“圧力”文書を出したことを問われ、「不偏不党な放送をしてもらいたいのは当然だ」と語っている。だが、この現代訳を読めば、いかに安倍首相が厚顔無恥であるかがよくわかるというものだ。

 そして、是枝氏は、〈安易な介入はむしろ公権力自身が放送法に違反していると考えられます〉と述べ、この放送法を〈公権力も多くの放送従事者もそして視聴者も逆に受けとってしまっていること〉が〈一連の介入が許し許されている〉と考察。その上で、あたかも報道の原理原則のように語られる「両論併記」や「中立」といった言葉にも切り込む。

〈公権力はあたかも当然の権利であるかのように「圧力」として、放送局は真実を追求することを放棄した「言い訳」として、「両論併記」だ「中立」だなどという言葉を口にする事態を招いているのです。

 作り手にとって「不偏不党」とは何よりもまず、自分の頭で考えるということです。考え続けるということです。安易な「両論併記」で声の大きい人たちから叩かれないようにしようなどという姑息な態度は単なる作り手の「思考停止」であり、視聴者の思考が成熟していくことをむしろ妨げているのだということを肝に銘じてください〉

 臭い物には蓋をして「両論併記」でその身を守ることは、ただの思考停止にすぎない──。この是枝氏の指摘は、テレビに限らず、新聞や雑誌などのメディアにも当てはまる重要な問題だ。圧力を恐れるより前に、権力による介入を断固許してはならないし、なによりまず「知る権利」を死守する、その使命をメディアは忘れてはならないのだから。

 しかし、他方の権力側は「テレビなんて放送法で簡単に黙らせられる」と言わんばかりに我が物顔をしている。是枝氏も、現状の異常事態をこう綴る。

〈近年BPOには政治家や政党から、番組内で自身や自身の主張が一方的に批判されたり不当に扱われており放送法に定められた「政治的公平」に反しているといった異議申し立てが相次いでいます。自分たちを批判するコメンテーターを差し替えろなどといった番組内容に直接言及するような要求までなされています〉

 このような身の程知らずの態度に、是枝氏はずばり〈BPOは政治家たちの駆け込み寺ではありません〉と断言。そして制作者たちに、いま一度、再考を促すのだ。

〈「批判を受けた」放送人が考えなくてはいけないのは、批判の理由が果して本当に公平感を欠いたものだったのか?それとも政治家にとって不都合な真実が暴かれたからなのか?その一点につきるでしょう。後者であるならば、まさに放送法に記されている通り、誰にも邪魔されずにその「真実」を追究する自由は保障されていますし、BPOもそんなあなたの取り組みを全面的に支持するでしょう〉

 BPO意見書と同様、是枝氏の“私見”は非常に真っ当な見識だ。第三者機関としての役割を果たそうとするBPOの今回の意見書は全面的に支持したいが、問題は、政権側が今後“BPO潰し”を本格化させる可能性が強まったことだろう。

 というのも、今年4月、自民党の川崎二郎・情報通信戦略調査会会長は、「テレビ局がお金を出し合う機関できちんとチェックできないなら、独立した機関の方がいい。
 BPOがお手盛りと言われるなら、少し変えなければならないのかなという思いはある」と発言。
 自民党はBPOに政府が関与する仕組みにしようと検討する方針を固めたのだ。
 つまり、政府が個々の番組に口を挟める体制をつくってしまおう、と画策しているわけである。
 今回、BPOが政権に対して「圧力そのもの」と批判したことで、この動きがさらに強まることは必至だ。

 もしもBPOが政府機関になれば、お手盛りどころか、放送の自由は完全に失われることになる。
 戦後に放送を開始したテレビは戦争協力を経験していないメディアだったが、テレビが言論弾圧に加担する日は、そう遠くないのかもしれない。


(水井多賀子)


倉本聰が安倍首相を「福島を見捨て東京五輪を優先させた」と怒りの告発!(リテラ) ★阿修羅♪ 掲示板 H.27/03/07

★阿修羅♪ 掲示板


 倉本聰が安倍首相を「福島を見捨て東京五輪を優先させた」と怒りの告発!(リテラ)


★阿修羅♪ 掲示板 赤かぶ 2015 年 3 月 07 日 11:32
http://www.asyura2.com/15/senkyo181/msg/171.html

 
『聞き書き 倉本聰 ドラマ人生』(北海道新聞社)


倉本聰が安倍首相を「福島を見捨て東京五輪を優先させた」と怒りの告発!
http://lite-ra.com/2015/03/post-923.html
2015.03.07. リテラ

 原発再稼働、憲法改正、自衛隊法改正などと安倍政権のきな臭い政策ゴリ押しが続いているが、著名人たちがこれらに反対する動きも出てきている。宮崎駿、吉永小百合、黒柳徹子──。もともと護憲派の著名人たちでなく福島出身の西田敏行や保守派と思われてきた海老名香葉子、笑福亭鶴瓶なども憲法改正や原発再稼働に反対、安倍政権の政策を批判しているほどだ。

 そんな中、福島原発事故4年を目前にある著名人が安倍政権の原発政策に対して吠えた。

「安倍さんは福島より五輪。冗談じゃない!」

 これは「女性自身」(光文社)3月10日号に掲載された脚本家・倉本聰のインタビュー記事のタイトルだ。東京出身で北海道富良野に生活の拠点を置く倉本だが、原発事故、そして事故が既に風化し無関心となりつつある日本の現状に対して我慢ならないらしい。

「わずか4年前の、世界を震撼させたあの原発事故。悲劇の記憶が、こんなにも早く、こんなにも脆く風化してしまうのかと。僕は激しい怒りと憤りと悲しみを感じたんです」

 その怒りの矛先は、原発再稼働を、そして「アンダーコントロール発言」で東京五輪誘致を推し進めた安倍首相に向いていく。

 「原発では労働力が足らないのに、国は'20年の東京オリンピック成功を優先し、その工事にどんどん労働力を投入している。ひどいですよ」
「(安倍首相のアンダーコントロール発言に)耳を疑いました。混沌とした、まだ処理中の『アンダーコンストラクション』のいい間違いではないかと思いました。冗談じゃない。何を考えているのかと」 

 実際、倉本がいう“原発収束より東京五輪に労働力を投入”という事態は現在でも進行、加速しているといっていいだろう。いや、原発労働だけではない。東京五輪は、被災地の復興にも大きな影を落としているのだ。

 被災地を取材してきたジャーナリストはその実態をこう証言する。

「原発労働者はもちろんですが、岩手や宮城の被災地の復興にも東京五輪は大きな影響を与えています。各地とも大規模な工事が必要だったため、人手不足はありました。そこにアベノミクス、東京五輪特需で、人手不足は一気に加速した。しかも、資材等も不足して価格もどんどん高騰し、復興事業を遅らせる最大の要因になっている。地元の人たちの間ではこっちは住むところもなくて困ってるのに、なんでそれをほったらかしにして五輪なんだ、という声はけっこうある」

 さらに、地元の怒りは2019年ラグビーワールドカップにも向いているという。森喜朗元首相が中心になって誘致されたこの大会だが、開催都市のひとつが被災地である岩手県釜石市に決定。そこでクローズアップされているのが釜石鵜住居復興スタジアムというハコモノの建築だ。

 「このスタジアムは大会が開催されるスタジアムの中でも唯一の新設されるものです。概算工事費は約27億円と試算されています。今後はワールドカップ仕様に合わせさらに増えることも予想されますし、地元の労働力もかなり流入すると言われています」(同前・ジャーナリスト)

 釜石市は新日鉄釜石ラグビー部という名門実業団があったことから、市民も誘致に賛成の声がある一方、いまだ仮設住宅で生活を余儀なくされている被災者も多いことから、ハコモノやイベント優先に違和感を抱く被災者も少なくないという。

 さらに2016年に日本で開催される主要国首脳会議(サミット)の誘致もまた被災地に影を落としている。現在、国内の8都市が候補地として挙げられているが、その本命とされるのがやはり被災地の宮城県仙台市だ。サミットが開催されれば300億円といわれる資金流入が予想されている。この誘致に積極的な仙台市はサミット開催に向け、仙台国際センターの増設工事を決定、25億円もの税金を投入する予定だ。またJR仙台駅と仙台国際センターをつなぐ地下鉄も開通予定なのだ。

 明らかに世界に向け安倍首相が宣言した「アンダーコントロール」をアピールする狙いがミエミエの世界的イベントの開催だが、しかし、福島原発からは事故直後より高濃度の汚染水が漏れ続け、周辺の放射線量も高い数値をたたき出している。帰宅困難区域、避難区域の住民たちの現状は深刻さを増している。原発事故や周囲の状況はコントロールからはほど遠く、収束もまったく見えていない。そんななか、国や行政は被災者そっちのけで“見せかけの復興”に邁進している。 

 こうした現状には倉本でなくても怒りと憤りがわきあがってくるが、倉本は脚本家としてこの状況に抗しようとしている。震災の数年前から「テレビに絶望した」と脚本家としての仕事をセーブ、一時は引退説まで囁かれていたが、この惨状を見て原発事故をテーマにした舞台「ノクターン──夜想曲」を上演、現在も全国で巡演する予定だ。

 舞台は東日本大震災から数年後の福島。津波で娘を亡くした原発作業員など近親者を失った男女が、震災のときの後悔や故郷を奪われた悲しみを表現し、原発事故の理不尽さを浮かび上がらせるものだ。

 倉本は、東北地方のブロック紙「河北新報」(2月19日付)にも登場し、原発に対してこう憤っている。

 「想像してみてほしい。ささいな私欲。倫理を忘れた成功の快感。わずかな金銭につながる欲望。それらが福島の原発施設から小さなセシウムの粒となって飛び出し、日本や世界を脅かしていることを」

 原発事故から4年、原発再稼働や表層的復興アピールのため労働者不足など深刻な問題が山積みの福島第一原発だが、その現状に目を向ける者はどんどん少なくなっている。しかし、福島の問題はけっして、一地域の問題ではない。私たち国民ひとりひとりが、放射能に汚染された福島を、日本の国土をどうしたら取り戻せるのかを考えないと、そのツケは将来、必ず自分たちに返ってくるだろう。

(伊勢崎馨)

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