汚職役人はトカゲの尻尾…責任逃れに終始した厚労省の厚顔 日刊ゲンダイ 2015年10月17日
汚職役人はトカゲの尻尾…責任逃れに終始した厚労省の厚顔
日刊ゲンダイ 2015年10月17日
中安一幸容疑者(右)(ハミングヘッズ社提供)
塩崎恭久厚労相は16日、マイナンバー汚職事件について謝罪。再発防止策として外部の弁護士らを呼んで「監察本部」を開くとしたが、その裏で官僚たちは責任逃れ、恥知らずの対応に終始している。
この日は民主党が厚労部門会議を開き、山井和則衆院議員らが汚職について担当者にヒヤリングしたが、その説明がヒドかった。
収賄容疑で逮捕された中安一幸容疑者(45)の出勤状況や勤務態度に関する質問が集中。中安容疑者が週に半分も出勤していなかったと報じられたためだが、担当者は「調査中」と繰り返すばかり。むろん、担当者が上司に確認すれば、すぐ答えが出ることは言うまでもない。
他の質問にも「捜査中で回答は控えたい」などとのらりくらり。再発防止策についても「監察本部で検討します」と明言を避けた。山井議員らは「期限を決めてすぐに調べてほしい」と訴えたが、結局、担当者は具体的な回答から逃げ続けて会議は終了した。
この対応は、今年6月に発覚した「漏れた年金問題」の時とそっくり。当時も厚労省は外部の検証委員会を設置したのを盾に、野党の責任追及には「検証委員会で速やかにやります」と頬かぶり。結局、検証結果が発表されたのは発覚から3カ月後、先月18日のことだ。山井議員はこう憤る。
「漏れた年金問題の際、厚労省は時間を稼いで、世間の関心が薄れるのを待っていたフシがあります。検証結果の発表時期も、わざわざ安保法案の採決時期にぶつけてきた。厚労省には責任逃れのための『危機管理マニュアル』でもあるのかと疑いたくなりますね。今回も漏れた年金の二の舞いにしてはいけません」
年金機構では、検証が終わった途端にさっそく年金の支払いミスが発覚した。あらゆる不祥事を起こしても、へこたれないなら“厚顔”省と名前を変えた方がいい。
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