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米刑務所に日本のメーカー幹部が次々に投獄されている 水面下で広がる新たなジャパンバッシング 現代ビジネス 2015年12月22日

現代ビジネス


 米刑務所に日本のメーカー幹部が次々に投獄されている 水面下で広がる新たなジャパンバッシング



現代ビジネス 2015年12月22日 6時0分


 いま、アメリカの刑務所に日本の自動車部品メーカーの幹部らが収監されていることをご存じだろうか?アメリカの政治家や企業が威厳を取り戻すために、日本企業をターゲットにして、徹底的な取り締まりを始めようとしているのだ。ジャーナリスト・新垣洋氏の特別リポート。

■なぜタカタは狙われたのか

 異常な破裂を起こすなどして米国では5件の死亡事故が確認されているタカタ製エアバック。米運輸省のフォックス長官は11月3日、「何年にもわたってタカタは欠陥製品を売り、欠陥を認めるのを拒み、情報を提供してこなかった。この混乱を解決するために、対応を強化した」としてタカタに最大2億ドルの制裁金を科すことを発表した。

 タカタがエアバックの異常破裂を最初に受けたのは2005年頃とされている。最初のリコール(回収・無償修理)が2008年だから、「対応が遅かった」という指摘はその通りだろう。

 ただ、今回の騒動はもう少し背景を見定める必要がある。

 異常破裂の原因とされているのは、エアバックを膨らませるインフレーター内でガスを発生させるために使われる「火薬」だ。タカタは2000年以降、硝酸アンモニウムという火薬を使ってきた。

 世界の部品メーカーで硝酸アンモニウムを使ってきたのはタカタのみ。他社は、世界シェア首位のオートリブ(スウェーデン)をはじめ硝酸グアニジンを使ってきた。

 硝酸アンモニウムは爆発力に優れている反面、水分を吸いやすく、高温多湿の地域では体積が変化してしまうのが難点と言われていた。他の部品メーカーはこの難点を解消できなかったために採用しなかったのだが、唯一、技術的にクリアできたのがタカタだった。

 タカタは自前でインフレータから布まで一貫生産する唯一の国産メーカー。もとはクルマ搭載のシートベルトを主製品にする典型的な部品メーカーだったが、80年代、タカタの「後見人」と目されるホンダからエアバック製造を持ちかけられ、経営リスクを負いながらも事業にのりだす。

 ホンダは87年、高級車「レジェンド」に初のエアバックを搭載。もちろんタカタ製だ。タカタはクルマの安全文化に貢献したとして2005年、米高速道路交通安全局(NHTSA)から「特別功労賞」を受賞している。

 皮肉なことに今回、“タカタバッシング”の口火をきったのはこのNHTSAだった。原因が硝酸アンモニウムだとはされながら、科学的根拠が明らかになったわけではない。そんな中でNHTSAが「タカタバッシング」の姿勢を強めていったのはなぜなのか。

■オバマバッシングの格好のネタ

 タカタ問題で、監督官庁のNHTSAが全米リコールの強制措置に踏み切ったのは2014年11月26日のこと。この時期、アメリカは11月4日の中間選挙で共和党が大勝を収め、熱狂に湧いていた

 勢いにのる共和党は、オバマ政権をつきあげる“ネタ”を探していた。
 そこに現れたのが、タカタの問題だったのだ。共和党議員らは、「タカタ・エアバック問題はオバマ政権の失政だ」と猛烈な批判を展開しはじめる。オバマ政権は共和党への突き上げを受けて、リコールで強硬姿勢をとらざるを得なくなってしまった。


 中でも暗躍したのが、米自動車大手フォード・モーターだと言われている。タカタ製エアバックを使うホンダなど日本の自動車・部品メーカーにとっての「向かい風」は、米国の自動車業界にとってはこれ以上ない「追い風」になる。当然のごとく、フォードはタカタを議会で追及するよう共和党議員らに猛烈にロビイングをしかけた。

 米自動車業界には日本車に対する遺恨がある。

 2008年のリーマン・ショックで、政府による多額の支援をうけたGMをはじめとする各自動車メーカーは、もはや「国策会社」と言われてもしょうがない状態に陥った。それ以降、「経営改善のためなら手段を選ばなくなった」(米自動車業界に詳しい関係者)米政府は、第一弾としてトヨタ、第2弾としてタカタをやり玉にあげたというのだ。

 タカタの問題が出て以降、トヨタ、マツダ、三菱自動車など各自動車メーカーはタカタ製のインフレ―タを使用しない方針を発表し、この11月にはホンダまでもが「もう使わない」ことを明らかにした。

 さらに、特別損失86億2700万円を計上して経営危機に陥りつつあるタカタに対し、ホンダの八郷隆弘社長は「経営支援は考えていない」と突っぱねる発言までしている。日本の自動車メーカーと部品メーカーの間で長年つちかわれてきた強固な信頼関係がいま、音を立てて崩れ始めている。

■なぜ日本人ばかりが狙われるのか

 “日本車憎し”とも言える米国の態度は、こんなところにも表れる。

 米国の刑務所には、日本の自動車部品メーカーの幹部ら51人が収監されているのだ(2015年3月9日現在)。米国の独占禁止法に違反する「価格カルテル」で摘発され、有罪判決を受けた人々である。 

 米司法省による日本の部品メーカー幹部の摘発がはじまったのは2010年頃から。記者が入手した資料によると、2011年9月に古川電機工業の社員3人が約10年間にわたってカルテルにかかわっていたとして2億ドルの罰金が課せられ、幹部3人が禁固刑に処された。

 続いて矢崎総業に4億7000万ドルの罰金が課せられ、幹部6人が禁固刑に。他にもデンソー、日本精機、パナソニック、日立オートモティブシステムズ、三菱電機、三菱重工、東洋ゴム、ブリジストン、日立金属、日本ガイシなど計34社、51人に禁固刑が科された。

 米国は他の先進国、資本主義国の中でも、自由競争を妨げるような行為に対する取り締まりが厳しい。ライバル企業間であっても、担当部署の人間同士が頻繁にあって情報交換したり、他社と調整しながら製品開発したりする日本の企業文化は米国には馴染まないのかもしれない。

 だが、それだけで米国で有罪判決を受けた人間の大部分が日本人であり、日本企業であることの説明がつくだろうか。

 こうした実態に疑問を投げかけた議員もいる。自民党の三原じゅんこ参議院議員だ。ことし3月16日の予算委員会で、宮澤洋一経産相(当時)にこう問うている。

 <グローバル競争の中で闘う日本の企業戦士51名が、現在アメリカの刑務所に数珠つなぎにされております。
 具体的に申し上げると、我が国の自動車部品メーカー、これがアメリカの反トラスト法、この法律の下でカルテルを行ったというアメリカの司法省の摘発で30社51名にのぼる日本人社員が起訴または収監されているんです>


■日本の脅威は中国だけではない

 三原氏は、国内外の法令を遵守することの重要性を説きながらも、こう続けた。

 「摘発対象の9割が日本企業だと聞くと、これはなぜこんなことになっているのかと不思議でなりません」

 この三原氏の質問に、宮澤大臣はこう答えている。

 「近年やはりアメリカ、欧州もそうですけれども、いわゆる競争法、日本でいえば独禁法の執行を強化する方向にある中で、我が国企業がこれに対応した十分なコンプライアンス体制を構築できていなかったという面があるということもまた事実でございます」

 いかにも日本の大臣らしい、米国の顔色をうかがったような答弁だが、事の本質は「日本の企業人が米国の法制度を理解していなかった」という次元のものではないだろう。

 先般、中国で日本人4人がスパイ容疑で拘束されていた事実は多くの日本人を驚かせたが、日本にとっての“脅威”は、中国だけではないのだ。


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